〈オープン戦で選手達で オーダー 監督を決め どうやって勝つのかを自分達で考えさせるプランを考えてます〉
11月25日、日本ハムの監督に就任した新庄剛志ビッグボスがツイッターでまたしても仰天プランを発表した。オープン戦で首脳陣ではなく、選手がスタメンを決めるというのだ。プロ野球担当記者が話す。
「新庄ビッグボスの狙いは“相手の立場になって物事を考えること”でしょう。秋季キャンプで選手に自分が普段守らないポジションを体験させたことと狙いは同じだと思います」(以下同)
秋季キャンプでは捕手の古川裕大をライト、一塁の清宮幸太郎をレフト、外野手の五十幡亮汰をショート、同じく外野手の万波中正をサードに入らせるなど守備位置をシャッフルし、「外野は内野の気持ち、捕手は外野の気持ち、全て相手の気持ちをわからせてあげる」と説明していた。
「別の角度から野球を見ることも大事ですし、それぞれのポジションの大変さも実感できる。同じ場所にずっといると考え方も凝り固まってきて、視野が狭まりがちになる。他の選手の気持ちや考えを慮る練習だと思いました。オーダーを自分たちで決めることを通して、選手に違う視点から野球を見せたいのでしょう」
“前代未聞”とも報道された新庄ビッグボスの“選手がオーダーを決める”プランだが、今から27年前に公式戦で実行していた指揮官がいたという。
「“10.8決戦”を制して優勝した1994年、巨人の長嶋茂雄監督が8月6日の中日戦(ナゴヤ球場)で選手に打順を組ませたことがありました。この年の巨人は貧打に悩み、前日まで3連敗で打線は2点、2点、3点と得点力不足だった。当時の4番である落合博満が中心となって、当たっている2番の川相昌弘をポイントゲッターの6番に置き、いつも5番や6番を打っていたコトーを1番に、1番のグラッデンを2番に回した新鮮なオーダーを組みました」
その日の巨人のスタメンは以下のようになった。
【1番】コトー センター
【2番】グラッデン レフト
【3番】松井秀喜 ライト
【4番】落合博満 ファースト
【5番】原辰徳 サード
【6番】川相昌弘 ショート
【7番】槙原寛己 セカンド
【8番】村田真一 キャッチャー
【9番】桑田真澄 ピッチャー
(※当時は予告先発制ではないため、7番の槙原は偵察要員。篠塚和典に代わった)