ビジネス

宝くじの「時効当せん金」は毎年100億円以上 なぜ高額当せんでも換金されないのか

昨年の年末ジャンボでも1億円以上当せんしているのに未換金となっている本数が6本もある(時事通信フォト)

昨年の年末ジャンボでも1億円以上当せんしているのに未換金となっている本数が6本もある(時事通信フォト)

 年末ジャンボ宝くじが発売されている。コロナ禍に揺れた1年の締めくくりとして、億万長者の夢を求めて宝くじを買ってみるのもいいだろう。だが、それとともに、去年買った宝くじの当せん確認を忘れてないか振り返ってみることも大切だ。毎年、多額の時効当せん金が出ているからだ。宝くじの時効について、ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が考察する。

 * * *
 毎年、師走の声を聞くと、あっという間に年の瀬のムードが高まっていく。特に今年は年始からコロナ禍に翻弄され続けて、さまざまなことに自粛や我慢を強いられる1年だった。

 いま発売されている年末ジャンボ宝くじは、そんな1年の終わりに、夢をみるためのレクリエーションとして価値が高まっているといえるだろう。年末ジャンボとジャンボミニを何枚ずつ買おうか。買い方は、連番か、バラか、3連バラか……など、いろいろ考える人も多いだろう。

 ところで、せっかく買った宝くじも、当せんの確認をしなければ当せんしていることに気付かないまま時効を迎えてしまう。法律(当せん金付証票法)では、当せん金の時効について、

「当せん金付証票の当せん金品の債権は、これを行使することができる時から一年間行使しないときは、時効によつて消滅する。」(第12条〈特別措置〉)

 と規定されている。

 では、実際にどれぐらいの当せん金が時効になっているのか? 宝くじを運営する全国都道府県及び全指定都市の公表内容をもとに、みていくことにしよう。

毎年100億円以上発生する「時効当せん金」

 年に5回行われるジャンボ宝くじを含めて、宝くじ全体で当せん金の時効がどれだけ発生しているのか? その推移をまとめたのが、別掲(図1)のグラフだ。

【図1】宝くじ時効当せん金の推移

【図1】宝くじ時効当せん金の推移

 2020年には、時効当せん金は128億円。この金額は前年度の販売総額の1.61%に相当する。毎年度、100億円を超える時効当せん金が発生している。

 これは、そもそも発売総額の5割に相当する額までとされている、当せん金の総額のうち、1.61%が換金されていないことを示しており、それだけ宝くじの楽しみを味わい損ねているともいえる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン