来季、巨人の吉川尚輝(26)が「背番号2」を付けると報じられている。巨人では華麗な守備で魅了した広岡達朗、“青い稲妻”と呼ばれてセ・リーグのシーズン最多盗塁記録を持つ松本匡史、“くせモノ”の異名を取った元木大介などが背負った番号だ。プロ野球担当記者が話す。
「背番号29から2への変更は大きな期待の現れでしょう。吉川の守備は歴代の巨人の内野手の中でもトップクラスだと思いますし、彼の潜在能力を考えれば松本のように盗塁王を獲得することも夢ではない。原監督は期待の選手に伝統のある番号を付けさせて自覚を持たせ、飛躍を促す。亀井義行には入団当初の『25』から、2007年に左打ちの巧打者である淡口憲治、清水隆行の付けた『35』に代えさせた。その亀井は成長を遂げ、2009年からは清水の後を継いで『9』を背負って活躍しました」(以下同)
吉川は今季、交流戦で打率3割7分3厘を放ち、一時は『3番・セカンド』とクリーンアップを任される活躍を見せた。しかし、6月10日のオリックス戦で死球を受けて、左手中指末節を骨折。戦線から離脱した。
「原監督は選手を頻繁に入れ替えることでチームを活性化し、2019年からの第3次政権でも連覇を果たした。吉川は2020年に初めて規定打席に到達したが、今年は及びませんでした。もちろんケガの影響もありますが、もう少し原監督が我慢して使っていたら、もっと結果を残せていたのではないかと思います」
今季の吉川は開幕直後こそ不振だったが、4月17日のDeNA戦から『8番・セカンド』で5試合連続スタメン起用され、全ての試合でヒットを放った。それ以前も含めて7試合連続ヒット中だったが、4月23日の広島戦ではスタメンから外れ、若林晃弘が起用された。東京五輪による中断明けの後半戦、戦列に復帰した吉川は6試合連続スタメンで、そのうち4試合でヒットを放ったが、8番から1番に上がった8月21日のDeNA戦でノーヒットに終わると、翌日は左投手の今永昇太が先発したためか、右の廣岡大志が取って代わった。
「たしかに今季は左投手に2割2分4厘と打てなかったですし、原監督が他の選手を使いたくなる気持ちもわかります。しかし、昨季は左投手に3割3分3厘と相性が良かった。昨季は常時起用されていたので、左を打てたということもあると思います。スタメンで起用されれば、『4打席与えられた』という安堵感から本来の力を発揮する選手もたくさんいますが、原監督は打てないと思えば、迷わずに途中交代する。それが、レギュラーが固定しない要因の1つでもあるでしょう」