小栗旬(38才)主演のドラマ『日本沈没』(TBS系)は12月12日に最終回を迎えるが、その予告映像には、富士山が噴火するシーンが映し出された。これがドラマのなかだけでなく、現実の世界で起こる日が近づいているという。
「富士山は50~100年間隔で噴火を繰り返してきた活火山です。前回の1707年の宝永噴火からすでに300年以上が経過しており、いまはいつ噴火してもおかしくない“スタンバイ状態”にある」
そう話すのは火山学者で京都大学名誉教授・特任教授の鎌田浩毅さんだ。しかも、南海トラフ地震が引き金になる可能性があるという。前回の噴火も、南海トラフ地震が影響していると考えられている。
「宝永噴火の49日前に、南海トラフ沿いが震源地とされる、M9クラスの巨大地震が発生しています。火山は巨大地震によってマグマだまりが揺らされると、周囲に割れ目が生じ、マグマが噴き出すことで噴火します。富士山はM9クラスの地震で噴火すると考えられてもいます。次に発生する南海トラフ地震はM9.1と予想されていますから、誘発される可能性は充分にあるといえるでしょう」(鎌田さん)
前回は約200年ぶりの噴火だった。現在はその噴火から、300年以上が経過している。これは、前回以上のマグマがため込まれていることを表しているという。
2021年3月、2004年に富士山火山防災対策協議会が作成した「富士山ハザードマップ」が17年ぶりに改定された。
主な変更点を見ると、想定されるマグマ(噴出する溶岩)の量が約2倍に増加。噴出地点も44か所から252か所に変更され、想定よりも市街地に近い場所にもあることがわかった。溶岩流が到達する地域も、静岡県と山梨県の2県15市町村とされていたが、神奈川県を含む3県27市町村に拡大された。
溶岩の量が増えれば、流れる速度も速くなる。10時間かかると考えられていた山梨県富士吉田市や静岡県富士宮市の市街地には、約2時間で溶岩流が到達すると改められた。
改定は避難計画を策定する基礎資料として、より精度を高める目的で行われたが、富士山噴火の被害が想定よりもはるかに大きいことも明らかになった。
南海トラフ地震の発生で、南海トラフの北東側にある震源域「相模トラフ」が連動し、巨大地震“スーパー南海地震”」が発生する危険性も囁かれている。もしもスーパー南海地震の直後に富士山が噴火したら、日本はいったいどうなるのか。シミューレーションした。