12月3日に厚労省が公表した資料「新型コロナワクチン接種後に死亡として報告された事例の概要」によれば、ワクチン接種後の死亡例は1387件(評価済みは1368件)。内訳はファイザーが1331件、モデルナが56件だ。ただし、現在までワクチンとの因果関係が否定できないとする「α」(アルファ)の評価は0件となっている。そんななかで不信の念を訴えるのが、広島県東広島市在住の岡本裕二さん(63)だ。岡本さんは30歳の長男・裕之さんをモデルナ製ワクチンの2回目接種を終えた3日後(8月25日)に亡くしている。
岡本さんが裕之さんに異変が起きた当時の様子を語る。
「2回目接種を終えた翌日(8月23日)に37℃ちょっとの発熱があったのですが、解熱剤で熱は下がったので、その翌日(8月24日)には会社に出勤して、いつも通りに働いていた。長男は車や電気関係のメンテナンスをする出張サービスの仕事をしていました。夜にはいつも通りに家に帰ってきて、普通に夕食を食べて、21時過ぎくらいに自室に入っていった。それが翌朝(8月25日)、7時を過ぎても起きてこないので、私の妻が『会社に遅れるよ』と部屋まで起こしにいったら、うつ伏せになって倒れていたんです」
その朝、岡本さんは目の不自由な高齢の母親の介護をするためすぐ近くにある実家にいた。妻から連絡を受け、急いで自宅に戻るも裕之さんはすでに息を引き取っていた。
「妻から連絡があって、救急車よりも早く駆けつけました。しかし長男はもう体が冷たく、固くなっていて、死斑も出ていた。救急車が到着した時にはもう遅かったんです。長男は生前、酒もタバコもやらなかったし、毎日2kmくらいランニングをしていて、地元のサッカーチームにも入っていた。体は丈夫で、健康そのものでした。突然死の思い当たる原因としては、ワクチンしか考えられないんですよ。
突然死だったので刑事事件のような扱いになり、遺体は警察で司法解剖されたのですが、『死因は不詳』とされました。司法解剖をしているわけだから、たとえば血栓ができていたり、血圧が上昇していたり、呼吸困難だったりしたら、今の医学だったら、ある程度は分かるはずでしょう。それなのに、『不詳』と書かれた紙きれ1枚を渡されただけです。私自身、地元の製薬関係の企業に勤めていますから、薬やワクチンなどに関する知識はある程度持っています。こんな回答で納得できるはずがありません」
裕之さんが亡くなったあと、岡本さんは厚労省に自ら連絡を入れて評価を聞いた。