新型コロナウイルスの新規感染者数が一段落するなか、新たにオミクロン株の脅威が迫り、年明けにも3回目のワクチン接種が始まりそうだ。ただ、その前に検証しておきたいのは「打った後」にどうなるかということ。『週刊ポスト』8月13日号では、新型コロナワクチン「2回目」後に死亡した77人(7月21日時点)が飲んでいた「薬」を検証した。ワクチン接種時の予診票に患者自身が記した内容で、厚生労働省の公表資料に記載されている。厚労省健康局健康課予防接種室の担当者が言う。
「死亡された方の薬や基礎疾患などを公開するのは、新型コロナワクチンの安全性に関して透明性を確保する必要があるからです」
『週刊ポスト』は7月時点で服用者が多かった薬の上位10種(同じ有効成分の薬は同一のものとして集計)を追跡して調べた。当時751件だった死亡事例は2倍近くになったが、薬の記載はそれぞれ2倍以上に増えていた。国際医療福祉大学病院内科学・予防医学センター教授の一石英一郎医師はいう。
「降圧剤や便秘薬、解熱鎮痛剤など高齢者に一般的な治療薬ばかりですので、それが(ワクチン後の死亡の)原因であると勘違いしてはいけません。降圧剤のアムロジピンは副作用が少ないとされ、高齢者にはよく処方されるカルシウム拮抗薬です。利尿薬のフロセミド、ラシックスはむくみ改善にも使われ、高齢者によく処方されます」
そして「死因」に目を移すと、最も多かったのは心筋梗塞などの「心臓障害」だった。
自衛隊は、運営していた大規模接種センターで接種後30分以内の急性期に副反応を訴えた約3000人について、「約9割はストレスが原因」とする調査結果をまとめた。
「接種後数日以内に心筋梗塞などで亡くなった人も、接種によるストレスが“引き金”になった可能性は否定できません。心筋梗塞や脳卒中の主な引き金は精神的・肉体的ストレスとされ、睡眠不足や急激な温度変化も引き金になるとされます。ただし、ワクチンは動脈硬化のような“主犯”ではなく、複数の引き金のうちのひとつであった可能性は考えられるかもしれません」(一石医師)