今季、シーズン終盤の大失速でリーグ3連覇を逃した巨人。3年契約最終年だった原辰徳監督は新たに3年間の延長となり、日本ハムから西川遥輝の獲得に向けて動いていることも判明した。在任15年間で9度のリーグ優勝、3度の日本一。来季は球団史上最長の16年目に突入する名将だが、ファンからはすでに「原監督が辞めた3年後が不安だ」と不安の声が上がっている。
新たに3年契約を結んだ原監督が仕掛ける「V奪還」の第一手は、他球団からの戦力補強になりそうだ。日本ハムを自由契約になった西川の獲得に向けて調査していることが判明した。一方で、巨人は今季、成長著しい松原聖弥がリードオフマンを務めた。来季の活躍も期待されていただけに、スポーツ紙遊軍記者も疑問を浮かべる。
「松原の野球センスは天才的なものがあります。ボール球に手を出したり、守備、走塁にも課題はありますが、来季も成長が期待できる選手です。
一方、西川は今季4度目の盗塁王を獲得した足に加え、プロ11年間の出塁率は.380と高い。ケガさえしなければ一定の戦力にはなるでしょう。ただ、西川獲得が長期的なチーム戦略に立った時にプラスと言えるでしょうか。西川は肩が弱く外野の守備範囲が狭いため、ポジションが左翼に限定されます。今季は浅い守備位置でも相手走者が二塁から本塁生還する場面が目立ったほどです。西川を起用するとなると、松原は丸佳浩や梶谷隆幸、ウィーラーといった実績のある選手とポジション争いをすることになる。さらに米独立リーグで2年連続MVPの長距離砲、アダム・ウォーカーの入団も決まっています。
打順でも西川を1番で起用すれば、松原の打順が下がってしまう。日本シリーズで激闘を見せたヤクルトが塩見泰隆、オリックスが紅林弘太郎、宗佑磨を我慢強く使い続けたように、多少のミスがあっても目をつむって使い続けなければ若手は一本立ちしません」
FA制度が導入された1990年代前半以降、他球団の主力を獲得する補強戦略は巨人の伝統だが、この数年、活躍したと評価される選手は決して多くない。梶谷と共に昨オフにDeNAからFA移籍した井納翔一は今季5試合登板で0勝1敗、防御率14.40と大きく期待を裏切った。
FA移籍ではないが、シーズン途中に中田翔を獲得したことも衝撃を与えた。日本ハムでチームメートへの暴力行為で8月11日に1、2軍の無期限出場停止処分を受けたわずか9日後にトレード移籍。批判覚悟で救いの手を差し伸べたが、34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点と全く振るわなかった。中田と同じ一塁を守る秋広優人は一軍に昇格するも打席を与えられず、二軍に降格している。