演出家や作曲家が次々に辞任した東京五輪の開会式。なかでも最初に大炎上の火を付けたのが、開閉会式の演出の総合統括を務めたクリエイティブ・ディレクターの佐々木宏氏(67)だった。
大会を間近に控えた3月、タレントの渡辺直美(34)をブタに見立てた演出案を佐々木氏が立案していたことが報じられ、批判が殺到。佐々木氏は組織委を通じて謝罪文を発表し、辞任した。
あれから9か月、表舞台から姿を消した佐々木氏だが、広告業界では最前線にいるという。
「電通出身の大物だけあってCM制作のオファーは絶えない。2021年8月にオンエアが開始した『ユニクロ』の新CMも佐々木さんが手がけています。『LifeとWear』シリーズと題して、綾瀬はるか(36)と桑田佳祐(65)がジーンズ姿で地下鉄を歩くCMです。
綾瀬メインと桑田メインの2バージョンがあり、それぞれユーチューブの公式動画では1000万回以上再生されており、好評です」(広告会社関係者)
佐々木氏の活動はそれだけではない。
「広告業界の賞レースで権威とされるのが『朝日広告賞』(朝日新聞社主催)。佐々木氏はこの賞の審査員に10年以上前から選出されており、2022年度も務めます」(同前)
作品募集の締め切りは2022年3月、受賞作の発表は7月予定となっている。別の広告会社関係者の話。
「佐々木氏は女性蔑視の演出案に留まらず、天皇陛下に〇×クイズの参加を求める演出案を企画していたことが発覚するなど、これ以上ないほどの顰蹙を買った。そんな人に権威ある広告賞の審査を任せることが妥当なのか、広告業界の人間からも疑問視する声がある」
朝日新聞に佐々木氏の起用理由について聞くと、
「佐々木宏氏は、広告全般に対する知見の高さ、造詣の深さから審査委員を依頼していました。ただ、数年に一度の次期審査体制の見直しの際には、そのまま継続して依頼するか否かは未定です」(広報部)との回答だった。
男女平等の審査をお願いしたいものだ。
※週刊ポスト2022年1月1・7日号