中日の不動のショート・京田陽太が契約更改で300万円減の推定年俸6400万円の条件提示に、不満を露わにしたことが物議を醸している。
京田は今季113試合出場で打率.257、3本塁打、24打点。打撃不振で5月28日にはプロ初のファーム降格を経験し、105安打、6盗塁はいずれも自己ワーストだった。ただ京田本人からすれば、守備の負担が大きい遊撃のレギュラーを務めて5年連続規定打席に到達し、100安打をクリアしたことを評価してほしい思いがあったのだろう。
12月14日、プロ初のダウン更改にサインしたが、契約更改後の会見にて「ダウンとは思っていなかったので、びっくりした」、「ここまでケガなくやってきたという自負があるが、結局は数字がすべてなんだと思った。結果も大事だとは思うが、積み上げてきたものも大事だと思うので、そこを評価してほしかったが、評価されなかった」と渋い表情を浮かべた。同僚の又吉克樹がFAでソフトバンクに移籍が決まったことについて聞かれると、「そういう日が来れば考えたい」と、最短2年後に取得する国内FA権の行使に含みを持たせた。
このニュースが報じられると、SNS上では〈今年の成績では下がって当たり前。そんな意識で野球やっていたのだから、打てなかったと思う〉、〈打率以外の成績が軒並み過去ワーストでチームもBクラスって事を考えたら300万のダウンで済んだのは優しいと思うけどね〉と、辛らつな声が並んだ。
中日は落合博満監督が退任してからの10年間でAクラスはわずか2回と、強竜は見る影もない。スポーツ紙デスクは京田のみならずチームの雰囲気に問題があると言う。
立浪新監督も期待
「驚くことに、京田のダウン提示に対して中日の選手たちからは同情的な見方が多い。こういうチームの雰囲気がぬるま湯だと感じますね。京田は本来ならリードオフマンでバリバリ働かなければいけない選手です。今季は与田剛監督が京田を1、2番で我慢強く起用しましたが、ボール球を振るなど選球眼に課題があり、出塁率.302は低すぎる。遊撃の守備能力はリーグ屈指ですが、現代野球は打てなければ評価は上がりません。
確かにレギュラーを張り続けていることは評価されるべきかもしれませんが、根尾昂ら競争相手の若手が伸び悩んでいるから、京田を起用している側面もある。アマチュア時代から打撃が課題と言われていましたが、プロ入り後もなかなか良くならない。他球団だったらレギュラーでなく、守備固め要員ですよ。ダウンしても十分に高年俸だと思います」
京田が打撃面で覚醒しなければ、中日の上位浮上は望めない。今季は深刻な貧打でリーグワーストの405得点。リーグ制覇したヤクルトの625得点より200点以上少なく、他の4球団も550得点前後を取っている。