もう1組の兄弟は、ジャパンカップデーから久々来日してここまで13勝と荒稼ぎの弟クリスチャン・デムーロが、兄ミルコとの直接対決の後先でも9勝3敗と圧倒。しかし兄は先週のGⅠ朝日杯フューチュリティ―Sで1番人気だった弟相手に貫禄を見せた。菊花賞がやや不完全燃焼だったステラヴェローチェが不気味でしょうがない。
兄弟から「父親」に目を転じてみる。このレースに4回も出走して1勝3着2回のゴールドシップ産駒ウインキートスは中山では【2 5 1 2】と連対率7割、3枠6番の好枠だ。中山のスプリングSとセントライト記念での好走が光るアサマノイタズラは末脚で勝負するタイプなので14番枠はむしろ吉兆。3歳でこのレースを制したヴィクトワールピサ産駒だ。横山ブラザーズの父が騎乗するシャドウディーヴァの父はこのレースでディープインパクトに土をつけたハーツクライ。そしてこのレース2勝の父を持ち弟と晴れ舞台に立つメロディーレーン。これら「有馬血統」は押さえておかないと後悔しそうだ。
数々の波乱とドラマを生んできた暮れの2500m。今年は「家族の絆」に賭ける。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。