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暮れの大一番・有馬記念では「家族の絆」がモノを言う

中山競馬場のパドック

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 有馬記念は最も馬券が売れるGIレース、有名人たちの予想も花盛りだ。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

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 グランプリ4連覇を目指すクロノジェネシスに3歳GⅠ馬2頭が立ちはだかるという構図。なかでも天皇賞(秋)を制し、ジャパンカップを使わずこちらに照準を合わせたエフフォーリアがファン投票1位の後押しを受けて人気の中心になりそうだ。

 今年のGⅠ馬は4頭のみ。年度代表馬選出が濃厚と言われるラヴズオンリーユー、圧倒的なパフォーマンスでジャパンカップを勝ったコントレイルが早々と引退、当年のダービー、オークス馬も出走しない。こんな有馬記念は天皇賞(秋)やジャパンカップのように“3強”ですんなり決まったりしないような予感がする。

 有馬記念の枠順抽選会がテレビ中継をするほど話題になるのは、やはりそれだけ勝敗を左右するからだろう。クロノジェネシスは7番枠。エフフォーリアは10番枠とまずまず。一方、前々で競馬をしたいはずのタイトルホルダーは、あろうことか大外16番になってしまった。

 ところが内枠を見ると逃げ宣言をしたパンサラッサが1枠2番の絶好枠。そしてタイトルホルダーの姉・キュートなアイドル、メロディーレーンが2枠4番。おお、これは「弟よ、私がしっかり2番手のポジションを取っておくから、焦ることなく徐々に上がっておいで」といっているかのようだ。

 タイトルホルダーの鞍上は横山和生。弟・武史がエフフォーリア、父・典弘騎手もシャドウディーヴァで参戦するので父子3人揃い踏みだ。父は騎乗数も勝利数も少ないが、息子と同時騎乗した134レースの後先では勝ち越しており、しっかり父の威厳を見せている。

 そのうち今年3人が同じレースで騎乗したのは30回。内訳はといえば父1勝、和生6勝、武史4勝、3人の後先でみても長男がトップ。ただ1度のワン・ツー・スリー決着だった8月28日札幌オホーツクステークスも和生、武史、典弘の順だった。

 年間100勝を達成、クラシックも制覇した武史は12月19日終了時点で761回騎乗。エージェント規定では若手騎手だが、いまやトップランクの扱いで騎乗馬にも恵まれていたはず。武史が1着になったレースで和生が騎乗していたのは31回だが、そのうち和生が1番人気だったのは2回だけ。

 一方騎乗数595回の和生が勝った時に武史が騎乗していたのは27回。160以上の差がある騎乗数を考えれば互角以上の結果といえ、しかもこの時武史の1番人気馬を5回も負かしているのだ。

 今年は弟ばかりが注目されたが、兄の77勝というのもキャリアハイ。ここは姉も見守っているタイトルホルダーを軸にする。

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