中国では12月、毎年恒例の「今年(2021年)の流行語トップ10」が発表されたが、このなかで、10の流行語のうち4つが中国の入試地獄に代表される競争社会や中国共産党による強権的な統治を批判する言葉だった。習近平国家主席は今年が「百年間なかった大変動」だとしながらも、中国共産党政権が奮闘して、中国共産党創設100周年を乗り切り、豊かな社会を建設したと自画自賛しており、それらの言葉が流行語の上位を占めたものの、それ以外では、実質的に習氏の言葉を否定する内容の流行語が並んでいる。
流行語トップ10は中国の文学雑誌「咬文嚼字」編集部が発表しているものだが、「咬文嚼字」とは中国の成語で「文章の文字面にばかりこだわり、文章を読むときに字句ばかり詮索し,その真の意味を理解しない」という意味だ。
今年の流行語の1位は「百年未有之大変局(百年間なかった大変動)」、2位は「小康(ややゆとりのある生活)」、3位は「赶考(力試し)」といずれも習近平氏が重要演説のなか使った言葉で、あくまでも一党独裁体制の国らしい特徴が出ているといえよう。
これ以外では、8位に「鶏娃(親が子供に詰め込み教育すること)」、9位に「■平(■は身偏に尚。寝そべり現象)」が入っており、いずれも激しい入試戦争や競争社会を批判する言葉となっている。
4位になった習氏の演説に使われた「双減(ダブル負担軽減)」の二つとは「義務教育段階にある学生の宿題」と「学習塾での受験勉強」を軽減させること意味し、厳しい受験戦争を批判する言葉となっている。