「日本中のお雑煮を調べていると、驚きのお雑煮に出くわすことがあります」と言うのは、お雑煮博士・粕谷浩子さん。汁物にもちを入れた料理がお雑煮なら、もはやこれはお雑煮ではないという一品も。味は絶品だという、珍しいお雑煮を紹介します!
●茨城「しょーびきもち」
正月三が日に食べる“焼き鮭サンドもち”
茨城県筑西市から水戸市の一部では、正月三が日はお雑煮やおせち料理を食べずに、このしょーびきもちを食べる家庭も。
「“しょーびき”とは塩鮭のこと。切り身の鮭を焼いてほぐし、焼きもちに挟んだり、のせたりして食べます。普段炊事をしている女性に休んでもらうため、男性が用意するそうですよ」(粕谷さん・以下同)。
●福井「若狭小浜の黒糖雑煮」
ぜいたく品だった砂糖をたっぷり
福井県小浜市に伝わるのは、具のないみそ汁に丸もちを入れ、最後に黒糖をかけたお雑煮。
「江戸時代、小浜の港には北前船が貴重な砂糖を運んできていました。正月くらいは砂糖を食べたいという庶民の思いが雑煮に表れたのではないでしょうか。黒糖特有のコクがみそと意外に合って絶品!」。