過去には全日本5位の高橋大輔選手、6位の安藤美姫さんが選ばれたことも
羽生結弦の4回転半アクセル挑戦で大きな盛り上がりを見せたフィギュアスケートの全日本選手権が終わり、北京五輪代表選手が発表された。なかでも注目を集めたのが、女子の「3」枠目と、アイスダンスだった。
女子は、エース・紀平梨花の全日本欠場によって、代表争いは混戦になっていた。全日本を制した坂本花織(21)と、2位に入り、今季、グランプリシリーズで表彰台に上がっている樋口新葉(20)の二人は順当に決まったとみられる。問題は、3人目だった。男女シングルは、全日本1位の選手はその時点で五輪代表が確定するが、他の2名については、全日本の結果だけではない選考基準が設けられている。選ばれたのは、全日本3位に入った17歳の河辺愛菜だった。
アイスダンスは、男女シングルとは異なる選考基準が設けられているものの、代表に選ばれたのは全日本を勝った小松原美里&尊組だった。
フィギュアスケートの五輪基準は、男女シングルの優勝者以外は、「全日本一発勝負」ではない。国際大会の結果やワールドランキングなどが加味される。そのため、ファンの間では、全日本は4位だったが、国際大会で河辺よりも高い点数を出している三原舞依(22)を推す声や、同じく、国際大会のベストスコアで小松原組を上回る村元哉中&高橋大輔組を推す声もあった。
「選考基準はいくつかありますが、全日本が重視される傾向にはあると思います。4年前の平昌五輪のときも、グランプリファイナルに出場したものの全日本では表彰台を逃した樋口新葉選手ではなく、全日本2位に入った坂本花織選手が選ばれました」(フィギュアスケート関係者)
しかし、過去を振り返れば、ソチのときは全日本で5位だった高橋大輔選手が選ばれている。ワールドランキングなどを加味するという当時のルールによる選考ではあったが、全日本の結果と照らし合わせるとわかりにくい部分があるため、議論を呼んだ。また、トリノのときは全日本6位の安藤美姫選手が選ばれた。これもまた、ポイント制を採っていた当時のルールに則った選考だったにもかかわらず、バッシングをするファンもいた。