12月29日、年明けに開催される箱根駅伝の区間エントリーが発表された。“花の2区”には駒沢大が田沢廉(3年)、青学大が近藤幸太郎(3年)というエースを投入し、東京国際大は前回区間新記録を更新したイェゴン・ヴィンセント(3年)がエントリー。各校の主力がぶつかり合う構図となる。また、2区に加えて注目が集まるのが、やはり勝敗を左右する可能性の高い“山の5区”である。
5区は近年、何度か距離変更が行なわれているが、現在の距離になってからの区間最高記録を持つ東洋大・宮下隼人(4年)が順当にエントリーされるなどした一方、当日変更の可能性がありそうな大学も散見される。青学大では1年生の若林宏樹が5区にエントリーされた。原晋監督は、「若林が5区で『若の神』になる」とコメントし、当日もそのまま出場の可能性があるものの、2020年の箱根で5区区間2位の好走で往路優勝のゴールテープを切った飯田貴之(4年)が補欠登録となっており、当日変更で5区に配されることなどもありうるだろう。
また、5区の結果を占ううえで注目したいのが11月開催の「激坂最速王決定戦(通称・激坂王)」だ。2020年に新設されたロードレースで、「登りの部」は小田原料金所(早川)から箱根大観山口までの13.5km、標高差981mを駆け上る。“仮想5区”とも位置付けられる大会なのだ。
2020年の激坂王では、創価大の三上雄太が53分09秒でトップでゴールした。すると年明けの箱根駅伝でも三上が5区にエントリーされる。三上はそこで期待通りに区間2位の走りを見せ、創価大として初の往路優勝となるゴールテープを切ってみせた。その他にも前回は津田将希(順天堂大)、村越凌太(日体大)、竹石尚人(青学大)らが、「激坂王→箱根5区」という流れでエントリーするなど、激坂王が“5区の予行演習”となっている感もある。
そうしたなかで今年11月の激坂王では、青学大OBで“3代目山の神”と呼ばれた神野大地(セルソース)がトップでフィニッシュ。それに続く2位が殿地琢朗(国学院大、4年)、3位が吉冨純也(日体大、2年)となった。殿地、吉冨は予想された通り箱根でも5区にエントリーされることとなった。また、前回の往路優勝の立役者となった創価大の三上は今年の激坂王でも5位に入り、やはり5区での起用が発表されている。