幕末の意外な出会いといえば、2004年の大河ドラマ『新選組!』のあの場面を思い出す人も多いはず。
この第一話は、世間をあっと言わせた。始まりは嘉永七年(1854年)、21歳の近藤勇(香取慎吾)は幼なじみの土方歳三(山本耕史)は、物知り学者の佐久間象山(石坂浩二)に連れられて、桂小五郎(石黒賢)や坂本龍馬(江口洋介)ととともにペリー率いる黒船を見物することに。象山に「お前は鬼瓦」「お前は木綿豆腐」と頼んでもいないニックネームをつけられた近藤と歳三は、黒船に大興奮する。近藤、土方のコンビはともかく、龍馬らも揃って、仲良く黒船見物ってアリなのか。結論としては、史実としては確たる記録はない。ただし、否定する証拠もない。わかっているのは当時、彼らが比較的「近く」にいたことだ。
確かに『幕末相棒伝』の龍馬と土方も「近く」にいた。そのふたりの「近く」には、西郷吉之助(谷田歩)、桂小五郎(駿河太郎)、伊東甲子太郎(佐藤隆太)、近藤勇(阿部亮平)もいた。誰かが事件のカギを握っているのか? 「日本の夜明けがくるぜよー!!」と叫んで、跳びはねる瑛太も、暗い雨の中で敵と戦う向井も、役に惚れんでいる様子。
若くして散る彼らの最期を見たら、また泣きそうだが、事件の謎解きとともに、ふたりの俳優の「熱」を感じ取る。それが正しいバディものの楽しみ方である。