ライフ

「BMI値が高い=悪」の考え方に疑いの目 体重増が必要な場合とは

(写真はイメージ)

へそ周りの数値で腹囲を判断すると、約半数が「メタボ」となってしまう(写真はイメージ)

 肥満の指数であるBMIについて、コロナ禍でさまざまな意見が飛び交っている。イギリスのオックスフォード大学の研究では、「BMIが23を超えると、指数が1つ上がるごとに入院リスクが5%上昇、集中治療室に入るリスクが10%上昇した」と報告されている。だが、BMIが低い方が健康とも言い難い。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんはいう。

「BMIに関しては数多くの論文があります。高ければ心筋梗塞などの疾病リスクが高まりますが、低すぎると栄養状態が悪く、死亡リスクが高くなるともいわれています。日本ではBMIが25以上で保健指導判定値とされていますが、それくらいの中肉中背が健康的だという意見もあります」(室井さん)

 さらに最近は、そもそもBMIの数値が高くなることを単純に”悪”と考えることに対し、疑いの目を向ける風潮もある。

「いまは体重が増加しても、筋肉の量が充分増えているのなら、体重を増やすことも大事だと指摘されることもあります。BMIは身長と体重から単純に割り出した肥満度ですが、その人が筋肉質なのか、脂肪が多いのかによって健康状態はまるで異なります。数字だけではなく、『体重の質』も見るべきです」(室井さん)

 肥満の基準に関して、日本は特に厳しいといわれている。東海大学名誉教授で健康診断の数値に詳しい大櫛陽一さんが指摘する。

「BMIが30を超えると死亡率が上昇するという科学的根拠のもとに、世界の基準ではBMI30以上が肥満に分類されます。しかし、BMI30以上の日本人は3%以下しか存在しないため、日本ではBMI25以上を肥満と設定している。すると、日本では4分の1の人が肥満です。また、肥満だから糖尿病になるとは限りません。2型糖尿病を発症した人の半分以上はBMI25未満。肥満ではなくても糖尿病になります」

 高齢になると、やせ型の方が体力が落ちて寿命が短くなるともいわれる。筋力や脂肪量に着目し、なぜ体重が増えたのか、なぜ減ったのかを分析することが大切だ。

※女性セブン20 22年1月6・13日号

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
今回の地震で道路の陥没に巻き込まれた軽自動車(青森県東北町。写真/共同通信社)
【青森県東方沖でM7.5の地震】運用開始以来初の“後発地震注意情報”発表「1週間以内にM7を超える地震の発生確率」が平常時0.1%から1%に 冬の大地震に備えるためにすべきこと 
女性セブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン