新年を迎えたのを機に、悪縁をきれいさっぱり清算したいと考えている人もいるだろう。なかには、神社や仏閣、おまじないといったスピリチュアルな方法に頼りつつ、悪縁を断ちたいという人もいるかもしれない。白狐など、神様の使いからのご神託に基づいたアドバイスを行う神託コンサルタントの町田真知子さんは「悪縁かどうかは、その人と一緒にいて快いか不快かで判断するといい」と話す。
「よい悪いではなく、あなたが不快に感じたら悪縁だと思っていい。ですが、だからといって“断ち切りたい”と強く意識を向ければ向けるほど、その負の感情が、よくない現実を引き寄せてしまう。高い次元で見れば“好き”も“嫌い”も、エネルギーの強さは同じだからです。そもそも、嫌いな相手に、あなたの貴重な思考や時間、エネルギーを費やすのはもったいないことです」(町田さん)
縁が切れないなら、それはその人のことを思いすぎて、自分で“くされ縁”を招いてしまっているのかもしれない。一方、精神科医の樺沢紫苑さんは、嫌いな相手を敵ではなくするには「笑顔」と「感謝の言葉」が有効だと語る。
「嫌いだからといって反論や攻撃をすれば角が立ちます。心の中では“うるさいわよ!”と思っていても、笑顔で“ありがとう”と言ってスルーしましょう。心理学的には『同属性の法則』といって、似た者同士が集まるようになっています。つねにニコニコしていれば、あなたを攻撃したがる人は“意地悪のしがいがない”と感じて去っていきますし、代わりにいつもニコニコした、感じのいい人が集まってきます」(樺沢さん)
これは決して、「いつ、どんな相手に対しても笑顔で優しく接しなさい」という意味ではない。
「聖書の有名な一節に『自分を愛するように隣人を愛しなさい』という言葉があります。ですが現代の人たちには、その反対で『隣人を愛するように自分を愛しなさい』とお伝えしたいです。ここでの“愛する”とは、あるがままの自分を許し、受け入れるこということ。すると、自然と周りからも愛され、よい縁が集まります。
一方、空気ばかり読む“いい人”は、自分よりも相手を優先してしまっていて、それでは本当によい縁にはつながりにくい。自分を愛せていない人が隣人を愛することはできませんから」(町田さん)
悪縁を祓うのにいくら払える?
それでも、どうしても切れない縁があるなら、神頼みも一手。世界各国の呪術などに詳しい神戸大学大学院国際文化学研究科教授の梅屋潔さんによれば、縁を切りたい場合は、縁結びで有名な神社や仏閣に行くのがよいという。
「基本的に、縁結びの神様や仏様は、縁を切ることも自在にできるといわれています。有名なのは、大阪・天王寺区の鎌八幡。実際に、不倫相手にお金をせびられ続けていた50代の女性が、この寺のおかげで悪縁を断ち切ることができたそうです」(梅屋さん)