ここ10年で発症者数が着実に増えているという脊柱管狭窄症。脊柱管が狭くなった結果、内部の神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす病気だ。外科手術をしても再発の危険性に脅かされる脊柱管狭窄症のしびれや痛みとオサラバするべく、「イタ気持ちいい!」ストレッチを日々習慣づけて姿勢や骨の位置を整えたい。100万人以上の腰痛持ちを救ってきた整骨院院長が、その技を伝授する。
まずは腰痛セルフチェック
脊柱管狭窄症向けのストレッチを行なう前に、まずはセルフチェックシートで自分が該当する項目にチェックを入れよう。A、Bそれぞれに入るチェック個数で、抱えている腰痛のタイプが掴めてくる。脊柱管狭窄症の医学的な分類「神経根型」「馬尾型」とは異なり、自分にフィットするストレッチを探し出すためのチェックだ。
考案したのは、腰痛に悩む現役スポーツ選手や大手病院の医師にまで施術を行なってきた、さかいクリニックグループ代表の酒井慎太郎氏。チェックの結果、たとえば「A3個、B7個」なら、「腰痛タイプA向きストレッチを3割、B向きを7割」のような比率を目安にストレッチを行ない、自分にフィットしたオリジナルメニューを作成できる。
【腰痛タイプA】
・起床のとき、立ち上がる姿勢になるまで時間がかかる
・洗面台で顔を洗うとき、前かがみの姿勢で腰の痛みを感じる
・畳やフローリングなど硬い床で仰向けに寝ると、腰が痛い
・しばらく座っていた後や、前かがみになった後に、立つ姿勢に戻ると腰が痛い
・くしゃみ・咳のときや、トイレでいきむとき、腰に不快感が走る
・30分以上座ったり、車の運転を続けたりすると、腰の痛みで我慢できなくなる
・脚や尻に、しびれるような感覚をいつも持っている
・デスクワークや車の運転をする機会が多い/前かがみの姿勢をとることが多い
・ここ数年、ぎっくり腰を年1回以上やっている
・歩いているときより、同じ姿勢を続けるほうがツライ
【腰痛タイプB】
・若いときは姿勢の良さが自慢。腰痛とは無縁だった
・若いときも腰痛持ちではあったが、今の腰痛とは質が違うと感じる
・今まで自分の姿勢なんて意識することなく生きてきた
・しばらく歩くと腰や脚が重くなるが、一度座ったりして休むと楽になる
・姿勢によって、脚のだるさやしびれが変化する
・歩いていると、足の裏にしびれや違和感を覚える
・過去、椎間板ヘルニアと診断されたことがある
・腰の痛みが強まるのは、朝より夕方。また低気圧の接近時も痛みが増す
・最近なぜか排尿のタイミングが掴めず、失禁してしまうことがある
・腰が痛いと感じたらひたすら安静、じっと横になってやり過ごしてきた
【タイプ診断】
・腰痛タイプA「前にかがむと痛い!」
Aのチェック数が多いほど、「脊柱管狭窄症予備軍」(Aタイプ)だ。体を前に倒したとき、腰椎に過剰な負荷がかかることから、痛みやしびれが生じている状態だ。腰まわりの筋肉が緊張する筋・筋膜性腰痛(腰の筋肉痛)からスタートし、次第に椎間板ヘルニアへ進行していく
・腰痛タイプB「後ろに反ると痛い!」
Bのチェック項目が多い人は、Aタイプからさらに進んだ「脊柱管狭窄症」(Bタイプ)だ。腰椎分離症、腰椎すべり症の可能性も含まれる。体を後ろに反らすと痛みやしびれが生じるのは、腰椎の前側だけでなく背中側も変型したため。変型や分離をした骨や狭くなった脊柱管が神経を圧迫している。