乱れた食生活や睡眠不足、ストレス……現代人の生活は毒だらけだ。お茶の水健康長寿クリニック院長で『脳の毒を出す食事』著者の白澤卓二さんが説明する。
「体にたまる毒とは、大気中の汚染物質や食品添加物ばかりではありません。大型の魚は水銀や鉛、カドミウムなどの重金属を含んでいる可能性が高く、紫外線を浴びたりストレスを抱えると、老化やがんの原因になる活性酸素がつくられます」
どんなに気をつけていても、食事や呼吸、太陽光からも毒になる物質を取り込んでしまうなら、どのようにデトックスすればいいのだろうか。恵比寿形成外科・美容クリニック院長の西嶌順子さんは、食事で摂った毒は食事で排出しやすいと話す。
「加工食品の添加物や農産物の殺虫剤、防カビ剤、除草剤、化学肥料のほか、肉に含まれる家畜類のホルモン剤、殺虫剤、抗菌剤など、食事から摂取した毒は、それらの排出を助ける食べ物を積極的に摂ることで、対策が可能です。消化吸収された毒素は、主に肝臓と腎臓を通して排出されます。タウリンなどの肝機能を高める栄養素や、利尿効果のあるカリウムなどを含む食材が効果的でしょう」(西嶌さん・以下同)
一方で、ダイオキシンなどの脂肪に溶けやすい性質を持つ毒素は、肝臓で解毒しにくく、皮下脂肪や脳、肝臓などにたまりやすいという。そのため、有酸素運動などで脂肪を燃焼させるほか、半身浴などで汗をかいて老廃物として少しずつ排出する必要がある。
「肝機能が低下していると解毒がうまくいかず、毒素が全身に運ばれ、排出に長い時間がかかります。食事だけでなく、便秘の改善や適度な運動、免疫力向上などでも解毒を促すことが大切です」