国内

家康「しかみ像」の謎 「三方ケ原の戦い」と無関係、仏像模した説も

しかみ像として伝わる絵図を模して作られた石像。家康の出身地である愛知県岡崎市の岡崎公園内にある(筆者撮影)

しかみ像として伝わる肖像画を模して作られた石像。家康の出身地である愛知県岡崎市の岡崎公園内にある(筆者撮影)

 三谷幸喜脚本のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が好調なスタートを切ったばかりではあるが、NHKはすでに2023年放送の大河ドラマ『どうする家康』の制作を決定し、先月末には脚本家や出演者らが集っての記者会見が行われた。令和の時代に新たな家康像を演じるのは、アイドルグループ嵐の松本潤。今年から来年にかけては、各地で徳川家康にまつわるイベントなどの盛り上がりが予想される。そうしたなか、家康を描いた有名な肖像画にまつわる定説が覆る事態が起きているという。歴史作家の島崎晋氏が解説する。

 * * *
 徳川家康は江戸幕府の創業者。その家康の肖像画は複数現存するが、記憶に残るという点では、頬杖をしながらしかめっ面をした「徳川家康三方ケ原戦役画像」、俗に「しかみ像」と称されるものが群を抜いているのではなかろうか。

 その「しかみ像」について、近年、定説が覆り、静岡県浜松市や愛知県岡崎市の展示施設などでは、従来掲げていた解説を撤去したり、展示の見直しを検討したりするなどの動きが出ているという(『東京新聞TOKYO Web』1月4日付「徳川家康「しかみ像」は慢心の戒めに描かせたのではなかった? 三方ケ原の負け戦とは無関係とする新説」より)。

 定説として語られてきた「しかみ像」の由来はこうだ。まだ織田信長も存命な戦国時代末期、家康は重臣たちの反対を押し切り、甲斐の戦国大名、武田信玄みずから率いる大軍に戦いを挑んだ(三方ケ原の戦い)。案の定、大敗北を喫し、命からがら逃げ戻った直後、慢心への戒めとして家康自ら絵師に描かせたのがこの「しかみ像」である──そう語られ、逸話としての面白さも重なり、小説やドラマでも長らく踏襲されてきた。

 ところが、2015年8月、尾張徳川家伝来の品々を中心に収蔵する徳川美術館の学芸員(当時)だった原史彦氏(現、名古屋城調査研究センター主査)が徳川美術館で開かれた講演会で「しかみ像」についての従来説を覆す新説を公表した。前掲の東京新聞記事によると、その概要は以下の4点にまとめられる。

 

関連記事

トピックス

田中容疑者の“薬物性接待”に参加したと証言する元キャバクラ嬢でOLの女性Aさん
《27歳OLが告白》「ラリってるジジイの相手」「女性を切らすと大変なんだ…」レーサム創業者“薬漬け性接待”の参加者が明かした「高額報酬」と「異臭漂うホテル内」
週刊ポスト
明るいご学友に囲まれているという悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さまのご学友が心配する授業中の“下ネタ披露” 「俺、ヒサと一緒に授業受けてる時、普通に言っちゃってさぁ」と盛り上がり
週刊ポスト
「大宮おじ」「先生」こと飯田光仁容疑者(32)の素顔とは──(本人SNS)
〈今日は〇〇にゃんとキスしようかな〉32歳無職が逮捕 “大宮界隈”で少女への性的暴行疑い「大宮おじ」こと飯田光仁容疑者の“危険すぎる素顔”
NEWSポストセブン
TUBEのボーカル・前田亘輝(時事通信フォト)
TUBE、6月1日ハワイでの40周年ライブがビザおりず開催危機…全額返金となると「信じられないほどの大損害」と関係者
NEWSポストセブン
インド出身のYouTuberジョティ・マルホトラがスパイ容疑で逮捕された(Facebookより)
スパイ容疑で逮捕の“インド人女スパイYouTuber”の正体「2年前にパキスタン諜報員と接触」「(犯行を)後悔はしていない」《緊張続くインド・パキスタン紛争》
NEWSポストセブン
ラウンドワンスタジアム千日前店で迷惑行為が発覚した(公式SNS、グラスの写真はイメージです/Xより)
「オェーッ!ペッペ!」30歳女性ライバーがグラスに放尿、嘔吐…ラウンドワンが「極めて悪質な迷惑行為」を報告も 女性ライバーは「汚いけど洗うからさ」逆ギレ狼藉
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
小室眞子さん第一子出産で浮上する、9月の悠仁さま「成年式」での里帰り 注目されるのは「高円宮家の三女・守谷絢子さんとの違い」
週刊ポスト
田中圭の“悪癖”に6年前から警告を発していた北川景子(時事通信フォト)
《永野芽郁との不倫報道で大打撃》北川景子が発していた田中圭への“警告メッセージ”、田中は「ガチのダメ出しじゃん」
週刊ポスト
夏の甲子園出場に向けて危機感を表明した大阪桐蔭・西谷浩一監督(産経ビジュアル)
大阪桐蔭「12年ぶりコールド負け」は“一強時代の終焉”か 西谷浩一監督が明かした「まだまだ力が足りない」という危機感 飛ばないバットへの対応の遅れ、スカウティングの不調も
NEWSポストセブン
TBS系連続ドラマ『キャスター』で共演していた2人(右・番組HPより)
《永野芽郁の二股疑惑報道》“嘘つかないで…”キム・ムジュンの意味深投稿に添付されていた一枚のワケあり写真「彼女の大好きなアニメキャラ」とファン指摘
NEWSポストセブン
逮捕された不動産投資会社「レーサム」創業者で元会長の田中剛容疑者
《無理やり口に…》レーサム元会長が開いた“薬物性接待パーティー”の中身、参加した国立女子大生への報酬は破格の「1日300万円」【違法薬物事件で逮捕】
週刊ポスト
2日間連続で同じブランドのイヤリングをお召しに(2025年5月20日・21日、撮影/JMPA)
《“完売”の人気ぶり》佳子さまが2日連続で着用された「5000円以下」美濃焼イヤリング  “眞子さんのセットアップ”と色を合わせる絶妙コーデも
NEWSポストセブン