芸能

眞鍋かをりが語る日記を書くことの意味 ステージⅣのママの闘病記を読んで

眞鍋かをり

眞鍋かをりさんが語る日記のもつ意味とは?

 かつて「ブログの女王」と呼ばれて注目を浴びたタレントの眞鍋かをりさんが、日記のもつ意味について語った。眞鍋さんが感銘を受けたのが『ママがもうこの世界にいなくても』という本。21才で大腸がんステージⅣの宣告を受け2021年9月、約3年間の闘病の末、亡くなった遠藤和(のどか)さん(享年24)が1才の娘のために綴った日記をまとめたものだ。眞鍋さんはどう読んだのか――。

 * * *
 コロナ禍で、20年ぶりに日記に挑戦してみました。でも、すぐには書けなかった。ブログとは全然違いますね。ブログは他人に読まれる前提で書いているので、面白くするための演出も入るし、自分の心の内をさらけ出す場所ではなかった。だから、それほど逡巡することなく書けたのかもしれません。でも、誰にも見せない日記では、自然と、私の本当の気持ちと向き合うことになる。日記を書くことで楽になるという人もいますが、私の場合は、不安や嫌な出来事からは目を逸らしたいという思いが強く、日記にすら本心を隠して強がってしまうところがありました。自分の心を直視するのは、こんなにも勇気が要ることなのだと思い知らされました。

 和さんは、どのような思いで日記を書いていたのでしょうか。本当のところはご本人にしかわからないことですが、読んでいて少し気になったのが「余命は統計。私は大丈夫。」といった、前向きな言葉の数々です。彼女の日記は、あっけからんとしている部分もありますが、つらいからこそ、わざと前向きに綴ることで自分を鼓舞していたのかもしれない。私も昔、日記に「こんなことがあったけれど、大丈夫」という書き方をしたことがあります。本当は大丈夫じゃなかったかもしれない。だけど、そうすることで不思議と大丈夫だと思えて、精神的に自分を保つことができた。前向きに書いたことが良い形で現実になったことも何度かあります。言霊(ことだま)って、本当にあるのかもしれないな、と感じています。
 
 自分がもし和さんと同じような状況に置かれたら、やはり私も娘に遺すために日記を書くだろうと思います。ひとりの女性として伝えてあげられることは伝えておいてあげたい。母が何を考え、どんなことをしていたのかが記された日記は、娘にとって最高の道しるべになると思います。今も、何か娘に何か教えるときは「◯◯しなさい!」と頭ごなしに言うのではなく、自分が子供の頃の話や失敗談などを話して聞かせるようにしています。そうすると、スッと腑に落ちたような感じで、納得してくれるんですよね。「ママはこうやって遊んでて大怪我したんだよ、だから気をつけてね」とか「好きな男の子には笑顔で話しかけないと気づいてもらえないよ」とか(笑)。効果は抜群ですが、子供の頃の記憶は消えていってしまうものだし、私の記憶も歳のせいかどんどん薄くなっていってる気がするので、いまのうちに日記という形で残しておいたほうがいいかもしれません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン