新型コロナウイルス「第6波」が襲来した。オミクロン株とはいったい何なのか。「コロナの女王」岡田晴恵・白鴎大教授に疑問をぶつける。【全4回の第3回。第1回はこちら】
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Q. 新型コロナの治療薬はオミクロン株にも効く?
A. 新型コロナの治療薬でウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ中和抗体薬には「抗体カクテル」(カシリビマブ、イムデビマブ)があり、入院・死亡リスクが70%低下するとされています。しかし、オミクロン株の変異した部分によっては、細胞への侵入を防ぐ効果に影響が出る恐れがあると指摘されています。中和抗体薬のソトロビマブは入院・死亡リスクが79%低下するとされ、こちらはオミクロン株に似たウイルスでの実験の結果、オミクロン株にも効果があるとしています。
今、私たちが注目しているのは抗ウイルス薬で、厚労省が昨年12月に特例承認した米メルク社のモルヌピラビルという初の「飲み薬」です。入院や死亡のリスクを30%ほど減らすとされています。オミクロン株でも効果は変わらないのではないかと示唆されています。
Q. 日本で「飲み薬」が承認されたから安心?
A. 薬があっても必要な時に服用できなければ意味がありません。日本の場合は早く検査をして、確定診断が出て、速やかに薬が投与できるのかという問題があります。確定診断が出ないと薬は出せないので、そのシステムがきちんとできるのかが重要です。
さらに現在、承認されているモルヌピラビルは米メルク社のもので、輸入になります。はたして日本が潤沢な薬を確保できるのか、それがオミクロン株の急速な感染拡大に追いつけるのか。オミクロン株の潜伏期は約3日でこれまでより短いため、いかに早く検査をして、早く薬を出せる状況にできるのかが重要です。
Q. 重症化しにくいなら医療逼迫は起きない?
A. オミクロン株の感染者が軽症や中等症であっても、医療を求める人がたくさん出ます。デルタ株までは重症者病床の占有率が注視されましたが、オミクロン株は同時に多く感染者が出るため医療が混乱します。加えて、たくさんの人が感染することによって、遅れて重症化する人も出て医療が逼迫する可能性があります。