睡眠中に尿意を催して何度も目が覚め、外出時でも、頻尿の不安に悩む人は多い。その原因の多くは「過活動膀胱」によるものである。過活動膀胱とは、膀胱に十分に尿がためられなくなる症状をいう。
正常な膀胱は尿がたまると風船のように膨らみ、一定量に達すると収縮して尿を排出する。しかし、過活動膀胱になると十分に尿がたまっていないのに膀胱が収縮し、尿意を催してしまう。その原因は加齢により尿道を締める尿道括約筋や骨盤底筋が衰えたり、膀胱が硬く小さくなったりしてしまうためだ。
「成人の正常な膀胱は150~200ml程度で尿意を感じ始め、約300mlを過ぎると我慢できなくなりますが、過活動膀胱になると少しの量で尿意を感じ、我慢できなくなってしまうのです」(日本大学医学部附属板橋病院 高橋悟病院長)
過活動膀胱の症状は男女ともに40歳を過ぎた頃から現われ、高齢化とともに悪化する場合もある。しかし、加齢による尿トラブルも、適切なトレーニングやふくらはぎのマッサージ、生活習慣の見直しで予防し、症状を改善することができる。
※週刊ポスト2022年1月28日号