男女ともに40歳を過ぎた頃から現われ、高齢化とともに悪化する場合もある「過活動膀胱」。頻尿や尿漏れの主な原因でもある過活動膀胱は、適切なトレーニングやふくらはぎのマッサージ、生活習慣の見直しで予防し、症状を改善することができる。
「骨盤底筋トレーニング」は過活動膀胱を防止・改善するために、日本排尿機能学会のガイドラインでも紹介されている。
骨盤底筋は男女ともに骨盤の底部にある。膀胱、直腸、子宮などの骨盤内の臓器を支え、正しい位置に保ち、膀胱の出口と尿道を締め、尿もれを防ぐ役割をしている。これが加齢、肥満、運動不足、女性の場合は出産などで衰え、緩むと頻尿・尿もれの原因となる。
衰えた骨盤底筋を鍛えることで、排尿をコントロールできるようになる。
夜間頻尿の原因を取り除き睡眠障害改善へ
「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉は、体内に血液を循環させるポンプの役目を果たしているが、年齢とともに筋力が衰えると、循環機能も落ちてくる。ふくらはぎの筋肉が衰えることで、重力の法則に従い、体内に循環できなかった血液の水分は下半身にたまり、夕方になると足がむくむという症状になる。
このむくみとなった余分な水分が夜間頻尿の大きな原因となる。就寝前にふくらはぎをマッサージして、1日の筋肉疲労を和らげ、むくみをとってから寝るようにしよう。
短時間でも足を高く上げて横になり、ふくらはぎに残った水分を体内に戻し、尿として排出することで、夜間頻尿を防ぐ効果がある。
※週刊ポスト2022年1月28日号