放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。笑点の大喜利新メンバー、桂宮治に寄せる期待を高田氏がつづる。
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好きな小沢昭一の句に、
“元日を 稼ぐ因果の 芸渡世”(変哲)
因果な商売なのである。こんな言葉もみつけた。「芸人も作家も女郎と同ンなじ。人に好かれてなんぼの商売」。まったくだ。暮れから正月、沢山の人に好かれた人達の不祝儀と祝儀。
「ヘーヘー ホーホー」、気の無いあいづちで爆笑をとっていた昭和のいる・こいるの「こいる師匠」の訃報が大みそか。2000年前後、私は芸界では“高田再生工場”と呼ばれ次々とベテラン芸人を復活させていった。フジテレビ元日名物、長時間演芸番組『爆笑ヒットパレード』のフレッシュコーナーの中に、何の説明もなくポーンとのいるこいるの漫才を入れてみた。勢いだらけの若手、爆笑問題、Take2、海砂利水魚(くりぃむしちゅー)の中で「しょうがないしょうがない。ああ人間死んじゃったらおしまいだネ。オレなんか健康だったら死んでもいいんだから、ヘーヘー ホーホー」
客も芸人達も最初はびっくりして、すぐに超が三ツも付く爆笑となった。
あの玉置浩二さんがのいこいの大ファンで一緒にCDも作った。『そんなもんだよ しょうがない』。作詞・高田文夫、作曲・玉置浩二である。名曲。今でも東京の若手芸人はカラオケで歌っている。もうひとつの「浅草キッド」である。
三平に代わる『笑点』の新メンバーは誰か。私なぞラジオで「こういう時代だからいよいよ女性を登用するんじゃないか。小朝の弟子のぴっかり☆なんて明るいし華があるし、もうすぐ真打だし…」。これで業界大騒ぎ。他に木久蔵、昇也、わさび、小痴楽と諸説。