NTTが電電公社時代から各契約世帯に配布してきたハローページ(電話帳)だが、営業電話などがかかってくるなどの影響を避けたい契約者が掲載を続々と掲載を止めたため、2023年2月までに発行を終える予定だ。だが、営業電話はなくならないし、自宅どころか忙しい職場にもかかってくる。ライターの森鷹久氏が、なぜ職場への営業電話がなくならないのか、営業を断った事で見舞われたトラブルについてレポートする。
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医療関係者と思われるユーザーが「マンション販売業者の電話営業をどうにかしてほしい」とSNS上で訴え、話題になっている。
勤務中、どこから調べたのか部署や自分の席にある直通電話が鳴り、対応をしてみるとそう言った業者だった、という経験をしている方も少なくないだろう。電話営業自体は、正当な営業活動の範疇ではある。しかし、電話を切ろうとしてもしつこく食い下がったり、自身が営業アポインターであることを隠して電話を入れる場合もあり、うっとうしく感じる場合が大半だ。
命を扱う現場である医療機関にも、そういった電話がかかってくるとなると、それは患者や急病人の命を脅かすことに他ならない。それゆえ、関係者から不躾な営業電話に怒りの声や訴えが相次ぐのも無理はない。
「社外に非公開の番号に営業の電話がかかってくる。だから、どこでこの番号を知ったのかと問い詰めても『それでは』といって切られ逃げられるんです」
こう話すのは、都内の大手建設会社勤務・坂本彩香さん(仮名・20代)。坂本さん自身は新卒で働き始めたところなので、不動産を購入できるほどの給与も貯蓄もない。普通なら営業のターゲットにはならないだろうが、勤務先が「大手」ということもあり、この類の電話が多いのだという。
「電話のほとんどは『投資用マンション』の営業ですね。都内のワンルームマンションを購入し、賃貸に回して利益をあげようというものです。一応建設会社なので、それがどんなマンションで施工会社はどこか、建設にはどの社が関わっているかで、なんとなくどんな物件か、上司は理解しているようで『こんな売り方をする物件だからお察しだ』と笑っています」(坂本さん)
そして、間も無く「なぜ番号を知っているのか」という疑問も解消された。
「下の階の同期と偶然立ち話をしていたら、前日に同じ営業電話がかかってきたというんです。業者はどうも、会社の代表番号を一桁ずつずらしながらかけていたみたいで、だからフロア毎に順々に電話を受けていました。その翌日は私たちから2階上のフロアにかかってきたとか。すぐに社内で注意喚起メールが回されました」(坂本さん)