芸能

歌手・安奈淳 膠原病で余命宣告から奇跡の回復、大病を経て変わった死生観

余命宣告から回復した安奈淳

余命宣告から回復した安奈淳

 1970年代に上演された舞台『ベルサイユのばら』のオスカル役で、一躍時の人となった元宝塚歌劇団星組・花組トップスターの安奈淳(74才)。30才で退団後、歌手として活躍している中、不調を感じるようになったという。

「宝塚時代は大きな病気をしませんでしたが、退団してから、それまでの疲れがどっと出たのか、なんとなく不調を感じるようになりました。顔がむくんで黄疸が出るようになり、病院に行ったら肝炎であることが判明。それでもいつかはよくなるだろうと思って、西洋医学の治療はほとんどしませんでした」(安奈・以下同)

 手足が冷え、時には痛いほどのしびれが襲うこともあったが、病院には行かず、漢方薬を服用し、やり過ごしていたという。限界を超えたと感じたのは53才のとき。それまでの不調とは違い、息ができなくなってしまったのだ。

「“これはおかしい”と思って知人に付き添ってもらって病院に行ったら、即入院。体中に水がたまり、肺にまで水が達していました。10日間ほどかけて水を抜いたら60kg以上あった体重が38kgに激減しました。

 そのときは意識がほとんどなくて、いまも当時の記憶はまったくありません。担当医には、『あと1時間病院に来るのが遅れていたら、ダメだった』とか『今晩が山場』『余命3日』と言われたそうですが、私は意識がもうろうとしたまま眠り続けていたのです」

 診断結果は膠原病の一種、全身性エリテマトーデス(SLE)だった。

「いまでこそ、膠原病は一般的に知られた病気になりましたが、20年前は、研究も進んでいなくて、まだまだ解明されていないことがたくさんあったようです。だから、先生からは『あなたがいい研究材料になりました』なんて、言われたこともあったんです。

 ただ、この病気は手術や薬の服用で、すぐに治るものではなく、治療は長期戦。退院後も、目が見えづらくなり、味覚症状があって、幻覚、幻聴も現れるなど、あらゆる症状に苦しみました。

 思考能力も低下し、1+1がわからなくなったり、24時間頭の中で数字や文字がミキサーにかけられているみたいにぐるぐると回っていて、10日間くらい眠れないこともあったんです。それで、さまざまな薬を試した結果、鬱状態になったこともありました」

 その後も粘り強く治療を続ける中、薄紙をはがすように効果が表れ、60才になった頃、症状が落ち着き始めた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン