「テレビ離れ」が叫ばれて久しいが、テレビ局内では生き残りをかけた“構造改革”が進んでいる。配信事業に力を入れることで新たな収益確保の道を探り、バラエティでもリアルタイムでなくても見られる番組作りを模索している。
テレビ朝日では、最近、社内に奇妙なポスターが貼られている。〈テレビ朝日社員を対象とした番組企画募集のお知らせ〉と題され、「10分程度のバラエティ」「1話7分程度のドラマ」「1分30秒ほどのミニアニメ」と、とにかく“短い番組”の企画を募集している。
「今回の募集は深夜バラエティ『お願い!ランキング』での放送が予定されていますが、メインはネット配信で話題になるコンテンツの制作を狙っています。テレ朝はYouTubeに『動画、はじめてみました』というバラエティ専門チャンネルを作り、声優やお笑い芸人など若者人気が高いコンテンツを配信している。登録者は77万人とずば抜けていて、1つの動画は10~20分ほどにしたり、スマホで観やすい構成にするなど若者向けのノウハウを蓄積している」(テレビ朝日局員)
高齢者はBSへ
その大きな波は「報道」にも及んでいて、こちらでも新たな取り組みが進んでいる。
「各局、自社のニュースサイトを作り、報道番組の気になるニュースだけ視聴できるようにしています。いわばニュースを“コンテンツ”として展開している。いまは番組の切り出しがメインですが、TBSは昨年から社会部や経済部の若手記者をデジタル編集部に異動させ、ネット配信専用の取材チームを作るほどの力の入れようです。
ネット上のPV数だけでなく、いずれはネットで特番にして、有料視聴で収益をあげるなど将来に向けた取り組みを進めています」(TBS局員)