芸能

南果歩 離婚や大病を経てたどりついた「生きていれば絶対大丈夫」の答え

20年ぶりの再会となった南果歩と辻仁成

2度の離婚、大病を乗り越えてきた南果歩

 2月4日、女優の南果歩(58才)の12年ぶりのエッセイ『乙女オバさん』が発売される。そこには、2度の結婚に2度の離婚、さらには病気と、人生の大波を乗り越えた彼女の半生が綴られている。特に、最初の夫である作家・ミュージシャンの辻仁成(62才)と離婚してからの20年間は、南にとって平たんな道のりではなかった。

 シングルマザーとして仕事と育児の両立に奔走。その後、ドラマ共演がきっかけで出会った俳優の渡辺謙(62才)と2005年に再婚を果たす。順風満帆かのように思われたが、2016年には乳がんが発覚。すぐに手術を受けた。

 翌2017年、追い打ちをかけるかのような、渡辺の不倫報道。ショックのあまり、南は重度のうつ病と診断された。日本にいては人目もあって心が休まらない。残されたわずかな力を振り絞って、アメリカ・サンフランシスコへと脱出した。2018年に2度目の離婚。それは決して後ろ向きな選択ではなかったという。南本人に話を聞いた。

「自分らしく生き、本当の幸せを見つけるための決断でした。縁あって結婚したのだから、別れた後も、彼には幸せでいてほしいし、私自身もいままで以上に幸せにならないと別れた意味がない。そう考えられるようになったんです」

 がんの手術から5年が経過した昨年の定期検診では、医師からうれしい結果が告げられたという。

「主治医の先生は“寛解”という言葉は使いませんでしたが、『これからも経過観察を怠らず、体を大切にしてくださいね。大丈夫、こんなに前向きな患者さんはなかなかいらっしゃいませんから』とおっしゃってくださったんです。本当につらい5年間でしたが、この言葉を聞いて、私のなかでは一区切りついたような気がしました」(南・以下同)

 また、新たな家族の存在も南にとって大きな活力になっているという。

「2度目の離婚が成立した2018年の終わりに、息子が結婚したんです。去るものは去り、来るものは来る。それが人生なんだなと実感しました。この時期に、家族が新しく増えたことで、本当に心が救われたように思います」

 家族の形は変化しても、つながりは変わらない。実は、離婚後も辻の母親との交流は続いているという。

「お義母さんには、大変な時期に子育てを手伝ってもらっていたので、その恩返しをしたいという気持ちがずっとあります。いまも定期的に会いますし、『果歩ちゃん』と呼んで本当の娘のように接してくださるんですよ」

 そんな“義母”の影響もあってか、南は現在、息子夫婦と同居して、義理の娘のことは「お嫁さん」ではなく、「娘」と呼んでいる。彼女と2人で夜中まで話し込むこともあるほど仲がよいそうだ。

「ただ、適度な距離感は大事。あくまでもわが家の構成は“息子夫婦と私”であって、息子夫婦と私は別ユニットだと意識しています。そうすれば、互いに干渉せず、ほどよい距離感を心地よく楽しめると思うんです」

 息子夫婦は新型コロナの感染状況が落ち着いたら生活拠点を海外に移す予定だという。

「全然寂しくないんですよ。彼らは自分たちの人生を生きているし、私にも仕事をはじめ、やるべきことがある。それに、ひとりでいることによって豊かになる時間もある。ひとりで過ごす時間の中で、後半生をどうやってより充実させていくかを考えていきたいですね」

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