NHKに、大改革の風が吹いている。NHK放送総局長は1月19日の会見で「新年度は改革を実感していただく年にしたい」と語り、4月改編について「地上波の改定は、地上デジタル放送を開始した2003年以来最大規模になると見込んでいる」と明かした。
すでに打ち切りが決まっているのは、前身の『ためしてガッテン』から27年続く長寿番組『ガッテン!』や『バラエティー生活笑百科』『ニュース シブ5時』などだが、さらなる“聖域なき改革”が予想されている。
NHKの大改革を主導するのは、前田晃伸会長だ。元みずほフィナンシャルグループ会長の前田氏は、2020年にNHK会長に就任すると、「新しいNHKらしさの追求」を掲げ、様々な改革に着手した。NHK記者が語る。
「前田会長は『NHKが変わったことをこの4月に示せ』と職員に宣言しています。そのため4月改編は大ナタを振るった印象です。打ち切り番組だけでなく、『クローズアップ現代+』も時間帯を変えて、MCの井上裕貴アナと保里小百合アナもわずか1年で交代させてリニューアルするそうです。看板番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』も週イチから月イチ放送に変わる予定です。
NHKも若者層の視聴者取り込みを意識していて、新しい番組制作には若手ディレクターを起用する動きになっています」
改革の動きは、国民的番組である『紅白歌合戦』も例外ではないようだ。
『週刊文春』(2021年12月30日・2022年1月6日号)に直撃された前田会長は『紅白歌合戦』を終了させるのかと問われ、「どんな長寿番組だって見直さなきゃおかしいじゃない。ちゃんと評価をする。どんないい番組もマンネリ化するのよ、それは放っておいちゃいけないよね」などと回答した。
「昨年の紅白は視聴率低迷が言われていますが、挑戦的な演出を取り入れ、若年層から好評だったとNHK内の評判はよかった。ただ、会長の任期(2023年3月)が迫るなかで、NHKが変わったことを結果で示したい会長としては、紅白歌合戦でさえメスを入れることは厭わないということでしょう」(前出・NHK記者)