アフィリエイトブログは言われるほど儲からない。情報商材ビジネスを喧伝する人たちに誘われて副収入を得ようとしたものの、教材代金で赤字となるのがかつては普通だった。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大によって世の中に広がる不安を利して稼ぐ不埒な輩がいる。ライターの森鷹久氏が、ブログをマイナーチェンジしたことで安定した高収益を確保できていると嘯く、まとめサイト運営者に話を聞いた。
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ネット上に拡散された新型コロナウイルスに関するデマや偽情報、いわゆる「陰謀論」と呼ばれる類の情報は極めて限定された数アカウントがその「発信源」となっている。そんな報告が、日米の研究者や識者の分析から明らかになっているが、こうした実情を逆手に取り、金儲けに勤しむ人々が存在する。
筆者は以前、とある「右派系まとめサイト」の匿名管理人を割り出し、電話取材して記事にしたことがある。管理人は北関東在住の30代男性・武田雄二さん。農家兼コンビニ経営という立場だったが、将来への不安などからネット上で販売されていた「情報商材」を購入し、その商材通りに「まとめサイト」を運営していたのだった。
取材や執筆の経験もない武田さんは「金稼ぎ」を目的に、適当な知見で集めたネット上の真偽不明の情報や書き込みをまとめて記事にし、ある程度の利益を上げている、とのことだった。そして、一番儲かるのが「右派向け」のまとめサイトであり、他に「左派向け」のまとめサイトも運営している実態を明かしていた。
取材に対し、一貫して悪びれたり、謝罪することはなく「あくまで金儲けのため」と言い張っていた武田さんだが、実は今「陰謀論」に特化したまとめサイトを運営している。
「陰謀論まとめが一番コスパがいいですね。右派左派向けのように、政治的な整合性を気にする必要もないし、感染者が増えれば増えるほどPV(ページビュー)が上がる。一昨年の秋頃から初めて、過去最高の利益が出ている」(武田さん)
コスパがよいという意味であれば、右派左派向けのまとめサイト運営においても、似たようなことを言っていた。それを上回るというのか。