はがきは週に6万通を超え、コーナーも多数誕生。エロトークに見せかけて、意外なオチがある「ミッドナイトストーリー」や、怪談のようで、実は笑えるオチがある「驚き桃の木ビックリ話」などだ。青山霊園から4時間生放送したこともあった。
「青山霊園に隠されたレコードを取ってきたら、その曲を流すという『真夜中の大運動会』ね。壮大ないたずらを大真面目にやっていました」
聴取率は90%(*深夜ラジオを聴いている人の9割が鶴光の『ANN』を聴いていた)を超えたこともあり、鶴光が「関西弁ではがきを書け」と言えば、関西弁のはがきが殺到した。
「まるで自分がカリスマになったかのようでしたが、勘違いしなかったのは、ラジオの主人公はリスナーであることをわかっていたから。ぼくはリスナーに遊んでもらっていたんですよ」
番組が終了して37年経ついまでも、仕事で出会う人から、「番組、聴いていました」
とこっそり耳打ちされることがあるという。そのたびに、『ANN』が結んだ絆の強さに気づかされるという。
【プロフィール】
笑福亭鶴光/1967年に6代目笑福亭松鶴に入門。1987年から16年間『鶴光の噂のゴールデンアワー』(ニッポン放送)も担当。現在も、『鶴光の噂のゴールデンリクエスト』(ニッポン放送)などレギュラー番組多数。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2022年2月10日号