大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で北条時政の妻・りくを演じる宮沢りえ(48)。映画『決戦は日曜日』では熱意にあふれた政治家を演じ、ドラマ作品『女系家族』『真犯人フラグ』にも次々出演。50歳を目前に引っ張りだこの大女優の素顔を、監督・共演者の証言から明らかにする。
アイドルというよりスター
「鬼気迫る演技と気品があるが気の強い役どころが魅力的に見えました。撮影中もいつも穏やかでニコニコしている印象でした。その場を穏やかにしてくれる魅力のある女優さんだと思います。気になる女優さんです」
そう語るのはNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』(2011年)で共演した俳優・草刈正雄(69)だ。
宮沢りえはいま、大河のみならず、映画やドラマ、舞台に引っ張りだことなっている。三井のリハウスのCMで初代リハウスガール「白鳥麗子」として鮮烈な印象を与えてから35年。48歳にして“黄金期”を迎えている宮沢りえの魅力と素顔を紐解いていく。
11歳でモデルとしてデビューし、CM出演で注目を浴びた宮沢は1988年、主演映画『ぼくらの七日間戦争』で女優デビューを果たす。生徒役として共演した大沢健(47)が当時をこう振り返る。
「初めて見た瞬間、その存在感に圧倒されました。すでに三井のリハウスのCMですごい人気になっていたので、もちろん美少女だっていうのはわかっていたんですけど、僕がそれまでに会ったことがある女の子とは別格の、見たこともないような存在感の女の子でした。
映画ではみんなを引っ張っていくおてんばな学級委員・中山ひとみ役で、早熟な面もある女の子の役でしたが、りえちゃん自身、役柄そのままの魅力を持った女の子でした。
僕よりも背が高くて、手足が長くて、顔も小さくて、ちょっと大人びていて。突き抜けていた」
宮沢が1989年に主演したドラマ『オシャレ泥棒』(TBS系)の原作者でアイドル評論家の中森明夫氏(62)も、「16歳の宮沢」に鮮烈な印象を受けたという。
「彼女の16歳の誕生日パーティに参加させてもらったんですが、今も鮮明に覚えています。スタイルや顔が綺麗な方はいっぱいいますが、“明らかなオーラ”があったのが宮沢りえでした。
喋ってみてさらに感心したのは“反応の良さ”。ポンポンと会話が弾み、物怖じしないうえに、話が面白い。りえママ(母・宮沢光子さん、故人)はもちろんのこと、小さい頃から一流の人に囲まれた生活をしていたから、相手の本質がわかるんでしょうね。少女時代の宮沢りえにはときめく感じがあった。アイドルっていうよりは、スターでした」
その後、数多の女優やアイドルを取材してきた中森氏だが、当時の宮沢を知る人と会うと「あの頃の宮沢りえみたいな子はもういない」という点で意見が一致するという。