野崎元球団社長がコメント

野崎元球団社長は「矢野監督は星野監督を尊敬し、星野監督も一番弟子として認めていた」という(2007年、ドラフト制度改革を協議する球団代表者会議に臨む際。時事通信フォト)

 しかし、実際には星野監督はソフトバンクとの日本シリーズ開幕前日(10月17日)にシーズン後の退任を公表。阪神は3勝4敗で日本一を逃した。この経緯について、野崎氏は「当時の正捕手だった矢野・現監督が、“星野監督は選手の奮起を期待してシリーズ直前に退任を公表した”のだと思っているのだとすれば、それは間違い」と指摘する。

「実は久万俊二郎オーナー(当時)が親しい記者に星野監督退任を漏らしてしまい、それを1社だけがスクープ記事として書こうとしていることがわかったのです。星野監督はなんとか止めようとしたが、止められそうになかった。そのため、各社の番記者たちと公平に接してきた星野監督は自ら公表して“スクープ潰し”をしたというのが真相です」

 それほどまでにシーズン中の退任公表は避けるべきものと考えられていたわけだ。ましてやシーズン前の「今季限りの退任」発言だけに、野崎氏が心配するのも当然かもしれない。今後、球団フロントはどのように矢野監督をフォローすればいいのか。野崎氏は言う。

「“来年以降も続けてほしい”と言って、成績については“私たちも一蓮托生です”と発言するしかないでしょうね。いずれにしてもかなり早い段階から後任監督について取り沙汰されることになる。前半戦で躓いた時が本当に心配ですね」

 阪神にとって試練の1年がスタートした。

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