窪田正孝(33才)が主演を務めた映画『決戦は日曜日』が1月7日より公開中だ。選挙戦の裏側を描いたコメディである本作は、肩の力の抜けたキャラクターのやり取りや、政界への風刺が込められたブラックな笑いが魅力の作品。SNSなどの口コミには、「俳優たちの会話劇が見応え十分」、「風刺が効いた良作」といった声が多く並んだ。そんな本作で、主演ながらも“地味”に映るのが、窪田の存在。映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんは、「彼のコメディセンスなくしてこの映画は成立しない」と語る。
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本作は、映画『東京ウィンドオーケストラ』や『ピンカートンに会いにいく』などを手掛けてきた坂下雄一郎監督(35才)による完全オリジナルの最新作。主演の窪田が“事なかれ主義”の秘書を演じ、無知ながらも政治の世界に参戦した“二世候補”に翻弄されるさまを、コメディタッチで描いている。言動がめちゃくちゃな世間知らずの二世候補と、彼女を支える秘書たちのやり取りは痛快だが、同時に笑うに笑えない“現実”を見ているようで、どうにも怖くなる。同じような感想を持った人は多いのではないだろうか。
あらすじはこうだ。谷村勉(窪田正孝)は、とある地方都市で多くの支持を集める衆議院議員・川島昌平の私設秘書。秘書という仕事に対して特別熱い思いはないが、家族と何不自由なく暮らせる現状に満足していた。ところがある日、川島が病に倒れ衆議院も解散。彼の後継候補者として娘の有美が政界に挑むことに。谷村は彼女の補佐役にあたるが、世間知らずで熱意が空回りする彼女に振り回される日々が始まる。有美は不適切な言動を連発するものの、父・川島が築いてきた力は絶大で有美が当選することは確実。しかし彼女は、やがて政界の悪しき慣習に納得できなくなり、“選挙に落ちること”への協力を谷村に持ちかける。
この一風変わった“選挙戦の裏側”を描いた物語に生命を吹き込んでいるのが、主演の窪田を筆頭としたユニークな面々だ。宮沢りえ(48才)が政治ド素人の無知な二世候補・有美役を演じ、物語の展開をけん引。熱の込持ったハイレベルなパフォーマンスに魅せられる。秘書役に配されているのが、窪田をはじめ、赤楚衛二(27才)、内田慈(38才)、小市慢太郎(52才)、音尾琢真(45才)ら若手からベテランまでの手練れの俳優陣。宮沢とは対照的な抑えた演技に徹し、映画全体を通してオフビートな会話劇を展開させている。そして、この秘書たちの中でも特筆すべき存在が、主演の窪田正孝だ。