外食のままならないご時世だが、代わりに人気が高まったのは「中食」と呼ばれる調理済み食品。しかも安くてボリュームある炭水化物メインの商品に人気が集まり、昨年はおかずが1品だけ入った「だけ弁当」がコンビニから次々と売り出され、話題をさらった。だが、懸念されるのが糖尿病のリスクだ。
糖尿病に詳しい、かたやま内科クリニック院長の片山隆司氏はここ数年で変化した日本の食文化に警告を発する。
「糖尿病予防にふさわしくない環境が出来上がってしまいました。食物繊維やたんぱく質などそれぞれの栄養素がバランスよく含まれているか、よく考えて食事を選ぶ習慣や意識を高めないといけない。これからは行動変容が求められます」
糖尿病人口増を食い止めるため、栄養の基礎知識は頭に叩きこんでおきたい。
【基本は一日3食、一汁二菜】
すい臓に負担をかけないよう、毎日決まった時間に食事を。外食なら、麺類のような炭水化物メインの献立より、副菜のついた定食系にしたい。
1食抜くと間食やドカ食いをしたくなるので、3食きちんと食べよう。昼は食後の活動量が多いので、やや多めの配分だ。分量の黄金バランスは朝食3、昼食4、夕食3。
【「量」ばかりでなく「栄養」にも意識を向ける】
内臓脂肪型肥満者は、ドカ食いのほか「野菜嫌い」「スナック菓子好き」などの特徴が多く見られる。栄養バランスのいい食事に整える必要はあるが、自己流の過度な糖質制限や絶食は厳禁。筋肉が減少し、糖代謝率が落ちて太りやすい体質になることも。理想のバランスでは、「C:炭水化物(糖質、食物繊維)」が半分以上を占める。糖尿病予備軍の段階なら、食材の選択や食べ方に気を付けた上での糖質摂取はOKだ。