今、テレビ界で注目を集めるジャンルの1つが「占い」だ。かつては多くの占い番組があり、細木数子さんのような人気占い師が登場して話題を集めたが、近年は番組の傾向も変わってきているという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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今、振り返ると、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)は、コロナ禍が深刻化しはじめた2020年4月にレギュラー放送がスタート。「占い師が町で一般人に突然声をかけて占う」という構成だったため、いきなり「ロケができない」という厳しい状況に追い込まれてしまいました。しかし、その後「突然」というコンセプトをやめ、主にタレントを占う形に変えて現在まで放送が続いています。
同じ占い番組では、昨年10月に『占いメガネ』(TBS系)がスタート。こちらは「人気占い師が悩める女性芸能人の自宅で人生を占う」というコンセプトで、毎週土曜深夜に放送されています。
さらに昨年12月28日、『占いリアリティショー どこまで言っていいですか?』(テレビ東京系)もスタート。「ゲスト1人を最強占い師軍団4人が徹底的に占い、本音を丸裸にする」というコンセプトで、金曜深夜に放送されています。
今年に入ってからも、1月2日に先行番組として『いま、好きな人いる?~2022年恋占いSP~』が配信されたあと、1月13日から『いま、好きな人いる?~ミライのための恋占い~』(ABEMA)がスタート。こちらは「恋愛運を鑑定する」というコンセプトで木曜深夜に配信されています。
昨秋から占いバラエティがジワジワと増えている様子がわかるのではないでしょうか。かつては細木和子さんの番組や、「銀座の母」などが出演する占いコーナーなども多く見られる時代がありましたが、なぜ再び今、占いバラエティが増えているのでしょうか。
「過去と現在を当てる」ソフト路線
まずふれておきたいのは、占いバラエティを取り巻く状況の変化。かつての人気番組『ズバリ言うわよ!』(TBS系)で細木数子さんが見せた毒舌がそうだったように、占いバラエティは「占い師が強烈な物言いで視聴者を引きつける」という演出が主流でした。