現地に同行できないから枚数を多く用意
コロナ禍ならではの苦労もある。
人数制限があるため調整するスタッフが試合に同行できないケースが多く、昨年2月の女子スキージャンプW杯ではスーツの規定違反が続出。高梨沙羅も予選をトップ通過したが、本戦で着た同じスーツの太もも部分が規定より少し大きかったため失格となった。五輪で同じ失敗は繰り返せない。ミズノ関係者が舞台裏を明かす。
「これまではスケートスーツの縫製担当者やジャンプスーツの調整を行なう担当者が五輪開催地に同行していましたが、今回はそれができないため、国内で最終仕上げを行ないました。スケートスーツは転倒などで破れてしまうこともあるため、いつもより多めの枚数を納品して対応しています。
スケートスーツの仕上げにあたっては、実際に選手に着用してもらい、滑った直後の声を聞くことが大事なため、どうしても直接やり取りする必要が生じます。その際は人数を2人までに制限しました。また長野市内に設置したスーツの縫製、修理部屋でのフィッティングの際は選手とスタッフの2人以外は作業部屋から離れるなど、選手との接触については細心の注意を払いました」
※週刊ポスト2022年2月18・25日号