ライフ

マッチングアプリ経由の詐欺被害増加 相手をどう見極めればいいのか

2021年、30代女性はカナダ出身東京在住と名乗る男性に仮想通貨の購入を持ちかけられ詐欺被害に遭った。ロマンス詐欺の相手とのやり取り。稼げるとうたう一方、見返りには女性の手料理をあげ、親密な関係を引き出していた[被害者提供](時事通信フォト)

2021年、30代女性はカナダ出身東京在住と名乗る男性に仮想通貨の購入を持ちかけられ詐欺被害に遭った。ロマンス詐欺の相手とのやり取り。稼げるとうたう一方、見返りには女性の手料理をあげ、親密な関係を引き出していた[被害者提供](時事通信フォト)

 コロナ禍でマッチングアプリの利用率が伸びており、それに伴いマッチングアプリが発端で起きるトラブルが増えている。しかも投資詐欺や国際ロマンス詐欺など、被害の種類も広がっているようだ。なぜマッチングアプリで詐欺被害が増えているのか。マッチングアプリでの見分け方や安全な会い方について、SNSなどでのトラブル被害に詳しい成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんに聞いた。

 * * *
 コロナ禍で学校はオンライン授業、会社はテレワークなどになり、新しい出会いの機会が極端に減っている。その結果、恋愛につながる出会いも減ってしまっている。

 大学の講義はほとんどオンラインとなり、特に2020年には多くの大学生が大学に数回しか登校しなかった。サークルの勧誘もオンラインだったので入りそびれたという2020年4月入学の2年生は、同級生の知り合いもほとんどいない。

 2020年度は年に数回しか大学に行かず、ひたすらパソコンで授業を受け続けたそうだ。2021年にはもう少し大学に行く機会が増えたが、はじめに友だちを作りそびれたため、まだ同じ大学に親しい友達がいないと、大学2年生がこぼす。

「それまでわざわざTwitterとかでつながって友だちになる気持ちがわからなかったけれど、そういうところでつながらないと同じ学校の友達ができない。だから積極的にTwitterやInstagramでつながった」

 同じ講義をとっている人でつながっていないと、レポートなどちょっとしたことも質問できず、困ったためだ。

 このように新生活とコロナ禍が重なった結果、孤独に陥る人が増えている。リアルでの出会いが減って向かうのは、ネットでの出会いやつながりだ。そして、主に若年層によるものだと思われてきたこれらの傾向が、上の世代にも広がっている。

コロナ禍の寂しさでマッチングアプリ利用増加

 コロナ禍に合わせて、マッチングアプリの利用も増えている。スマートフォンを所持する20~49歳独身男女を対象としたMMD研究所の「2021年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」(2021年9月)によると、恋人探しの場はコロナ前の2020年3月まで、「職場や学校での出会い」(40.1%)、「友人や家族からの紹介」(39.6%)、「マッチングサービス・アプリ」(32.7%)だった。
 一方コロナ後の2020年4月以降は、「マッチングサービス・アプリ」が42.6%と最多に。続いて「職場や学校での出会い」(29.4%)、「友人や家族からの紹介」が24.05と完全に逆転した。なお、利用したことがあるマッチングサービス・アプリは、「Pairs」(57.8%)、「タップル」(29.5%)、「Omiai」(29.4%)などとなっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン