中国浙江省杭州市トップだった周江勇・元同市中国共産党委員会書記が、党籍剥奪となり、公職を解任され、汚職などに伴う収賄罪の捜査などで検察に身柄を拘束された。さらに、河南省鄭州市の徐立毅・同市党委書記が昨年7月の大水害で洪水対策を怠ったなどとして、公職をすべて解任された。
周、徐両氏はともに、習近平国家主席との関係が深く、将来的に中央入りするとみられていた。今年秋に予定されている党内の重要ポストが大幅に入れ替わる第20回中国共産党全国代表大会(党大会)を前に、習近平氏と関係が悪化しているといわれる李克強首相ら中国共産党青年団(共青団)閥が反撃に出たとの見方が強まっている。
習近平閥は習氏の地方幹部時代が長かった福建、浙江の両省と上海市のかつての部下などが主要ポストを占めており、なかでも「之江新軍」と呼ばれる浙江省出身者が多いことで知られている。
周氏と徐氏はともに習近平氏が浙江省党委書記だった時期に、同省の党・政府機関で幹部を務めており、習氏の中央政界入り後にとんとん拍子に出世してきた。
周氏は1967年9月生まれで浙江省寧波市出身。2012年に習氏が党総書記に就任してから、同省の舟山市長・市党委書記、温州市党委書記、杭州市党委書記とハイペースで昇進するなど、同世代のなかでも出世頭とみられていた。
しかし、党員の不正を取り締まる党中央規律検査委員会が昨年8月、「重大な規律・法律違反の疑いで調べている」と発表したことで、党内外に衝撃が走った。
さらに、今年1月下旬、党中央規律委はホームページで、周氏が重大な規律違反を犯し、家族らと共謀して賄賂を受け取ったなどとして、周氏を逮捕するとともに党籍を剥奪し、一切の職務を解任したと発表した。