なぜ脇に毛が
男性専用の総合美容医療機関「ゴリラクリニック」総院長の稲見文彦医師によれば、コロナ禍でヒゲ脱毛を希望する男性が急増しているという。
「外食やレジャーに使うはずだった費用をヒゲ脱毛という自己投資に回す余裕ができたことと、マスク生活で腫れやむくみなどのダウンタイムを気にすることなく施術を受けられるようになったのが要因でしょう。それ以上に“男性も積極的に外見を気にしていい”という価値観がミドルエイジにまで浸透してきたことが大きい」(稲見医師)
なにより、ヒゲ脱毛には見た目だけでなく医学的なメリットもあると稲見医師は続ける。
「カミソリ負けをしなくなるので、皮膚感染症や色素沈着の原因となる肌荒れの心配がありません。健康な肌が手に入り、アンチエイジングにもつながります」
2019年にはスイスの研究者が「男性のヒゲは犬の体毛より汚い」という調査結果を発表しており、細菌による皮膚炎の予防など、衛生面での効果は大きいという。
男性が脱毛するのはヒゲだけではない。坂井氏の視線はその“先”にも向けられるようになった。
「ヒゲ脱毛を始めると、体に無駄な毛が残っていることに違和感を覚えるようになったんです。なぜ自分の脇には毛が残っているんだろう、なぜスネに毛が残っているんだろうと、考えが逆転するんですね」(坂井氏)
脇と脚の脱毛にチャレンジすることを決めた坂井氏は、ヒゲ脱毛を受けているクリニックではなく、小さな脱毛サロンに通い始めたという。
「痛みの少ない『SHR』という美容脱毛を選びました。ヒゲは面積が小さいから10分耐えれば終わりますが、両脇や両脚だとそうもいかないので」(同前)