ぶりっ子やクレーマーなど「ヤバイ女」はさまざまいるが、いま脅威といわれるのが「私、サバサバしてるから」と断言する「自称サバサバ女」。その被害が最も目撃されているのがママ友の間だという。「サバサバ」とは名ばかりのトンデモ言動を繰り返す、「自称サバ女」の実情に迫る。
2児の母である清田美和子さん(仮名・40才)は、ママ友サークルで出会ったあるママのことが忘れられないと語る。
「3才の長男が生まれたとき、同月齢の赤ちゃんがいる初産のママ限定の地元のサークルに入ったんです。年齢も職業もバラバラの集まりだけど、みんな同じ不安を抱えているから、すぐに打ち解けました。
何か月か経って、みんなで赤ちゃんの撮影会をやろうという話になったのですが、そこでリーダーを買って出たのがA子さん。彼女は元大手メーカーの営業で、その名残なのか、めちゃくちゃ場を仕切りたがるんです。それだけならまだしも、『あなたの出身校は?』『旦那さんは何の仕事をしているの?』と、やたらマウントを取りたがる。そして必ず、『うちの夫は医者だから大変~』とひけらかしてくる。『“上級国民”の私が率先して仕切ってあげる!』と言わんばかりの態度で、ほかのママのことを見下していることが言動の端々から感じ取れました」
そのA子さんの口癖が、「私、サバサバキャラだから何でも相談して!」だったという。
「そして撮影会の日、A子さんが準備してくれたのは公民館の一室に真っ白のシーツ1枚のみ。みんなが戸惑っているのを察知して、B美さんがアイディアをたくさん出してくれたのですが、その行動にA子さんはぶちギレ。『勝手にすれば!』と言い残して、二度とサークルに現れませんでした」(清田さん)
A子さんのような「自称サバサバ女(自サバ女)」が、ちまたを騒がせている。2020年11月に配信が始まった電子コミック『ワタシってサバサバしてるから』(DPNブックス)のヒットがきっかけとなり、SNSでは身近にいる「自サバ女」の体験談を語ることがブームとなっている。「自サバ女」とは一体どんな女なのだろうか。
独創性と自己愛が強すぎる女
コミュニケーション研究家で心理学者の藤田尚弓さんはこう分析する。
「協調性があり、共感力が高いことが一般的な女性の特徴だとしたら、“自サバ女”は独創性が高い、つまり“私らしく”という意識が強すぎる女性でしょう。ある程度の範囲でおさまれば、女性特有の粘着質なところがないすがすがしい人かもしれませんが、度を越えるとただの『ガサツな人』になったり、遠慮のない発言もただの『悪口』になってしまいます。
さらに、“自サバ女”は“自己愛”が強い可能性が高い。自己愛が強いことは、自信を持って生きるために重要なことだとされていたこともありますが、サイコパスなどの危険要素を持ち合わせているケースも少なくない。いまは、自己愛が強すぎる人は、人間関係でトラブルを起こしやすい危険な面もあるとされています」