スポーツ

聖隷センバツ落選「密室の選考委員会」最大のキーマンが口を開いた

“最大のキーマン”と言われる鬼嶋一司・選考委員長(時事通信フォト)

“最大のキーマン”と言われる鬼嶋一司・選考委員長(時事通信フォト)

 騒動は広がるばかりの聖隷クリストファー(静岡)のセンバツ落選問題。週刊ポストとNEWSポストセブンで、同校監督の独占告白などをレポートしてきたノンフィクションライター・柳川悠二氏が、「密室の選考委員会」の内実を追い、選考委員たちを連続直撃した。会見で選考理由について「個々の能力」を挙げて波紋を広げ、その後は沈黙を貫いてきた “最大のキーマン”と言われる鬼嶋一司・選考委員長が、ついに口を開いた。

 * * *
 温暖な静岡県浜松市に粉雪が舞った2月5日、私立聖隷クリストファー高校のグラウンドでは、ナインが寒風を裂くように声を発し、ウォーミングアップを行っていた。

 同校校長でもある上村敏正監督(64)を待つ間、お茶を運んでくれたのは女子マネジャーだった。選抜出場を信じて疑わなかったナインは落選のショックを振り払い、夏に気持ちが向かっているのか──そう訊ねると彼女は静かに首を横に振った。

 1月28日に行われた選抜高校野球大会(3月18日開幕)の代表校を決する選考委員会において、昨秋の東海大会で準優勝だった聖隷は、まさかの落選。優勝した日大三島(静岡)に次ぐ2枠目に選ばれたのは、ベスト4の大垣日大(岐阜)だった。

 聖隷の上村監督は浜松商と掛川西を春5度、夏3度の甲子園に導いた名伯楽だ。選考委員会の直後、上村監督は全メディアで初の単独インタビューに応じ、私はNEWSポストセブンで記事にした。一部を抜粋する。

「100%出場できると思っていた選手にとって、その100%を失えばどれほどの傷を負うことになるのか、想像してみてください。選手はやりきれません」

 その後、上村監督は校長という立場もあり、表立って発言することを避けるようになっていく。だが、今回の選考を巡る真相が明らかになることだけが願いのはずだ。

 だからこそ、私は選考の内幕を調査してきた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン