頭痛やめまい、胸痛に発熱──新型コロナウイルスのワクチン接種後から長期的に続く症状に悩まされる人々は少なくないという。彼らが直面するのは、こうした症状そのもののつらさだけではない。病院や社会の無理解、冷淡な対応がいっそうの苦しみを生んでいるのだ。ワクチン後遺症に関する現状をジャーナリスト・鳥集徹氏と女性セブン取材班がレポートする。
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「トイレ掃除をしていると急に息が苦しくなり、失神したんです。新型コロナワクチンを打った3日後のことでした。
怖くなって、県の新型コロナワクチン専門相談センターに電話しました。そうしたら薬剤師さんが出て、『もともとあった病気のせいではないか。ワクチンではない』と断言されてしまって……。その後、市の相談センターにも電話したのですが、そこでも薬剤師さんから『ワクチンが原因なんてあり得ないから』と怒ったように言われました」
そう話すのは、女性セブン2022年1月20日発売号の特集「コロナより恐ろしいワクチン後遺症」でも紹介した、中国地方在住の女性Fさん(40代)だ。
昨年8月下旬に1回目のワクチンを接種したFさんは、翌日から腕が上がらないほどの痛み、息切れ、激しいめまいに襲われた。次の日、トイレで失神して以降、体調が悪化し、いまも倦怠感や胸痛、頭にモヤがかかったような感覚が継続する「ブレインフォグ(脳の霧)」に悩まされ続けている。
甲状腺の持病があるものの、それまでは普通に生活ができ、派遣の仕事にも通っていた。症状の原因は、ワクチン以外に思い当たらないとFさんは言う。しかし、相談センターだけでなく、受診した病院でも、ことごとく否定された。
「めまいが強かったので耳鼻科に行ったのですが、検査しても異常なし。医師からは『ワクチンが怖いという思い込みからではないか』と言われました。
持病を診てもらっている主治医も、ふだんは患者思いの温厚な先生なのですが、私が『ワクチンのせいでは』と何度か口にしているうちに相手にされなくなりました。その先生は私の接種前の問診も担当されたから、いま思えば、接種にかかわった自分が責められているように誤解したのかもしれません」(Fさん)
海外から自分で薬を購入した
医療者の心ない対応に苦しむのはFさんだけではない。接種後、長期間にわたって体調不良が続く「ワクチン後遺症」に悩まされながらも、その症状とワクチンとの関連を医師に頭から否定されてしまい、充分な医療的サポートを受けられない人が多いのだ。関西地方に住む女性Ⅰさん(30代)も、その1人だ。