国内

長期的な“ワクチン後遺症”の現状 救済措置までには長い道のり

(写真/PIXTA)

ワクチンの後遺症に長く悩まされる人は少なくないという(写真/PIXTA)

 頭痛やめまい、胸痛に発熱──新型コロナウイルスのワクチン接種後から長期的に続く症状に悩まされる人々は少なくないという。彼らが直面するのは、こうした症状そのもののつらさだけではない。病院や社会の無理解、冷淡な対応がいっそうの苦しみを生んでいるのだ。ワクチン後遺症に関する現状をジャーナリスト・鳥集徹氏と女性セブン取材班がレポートする。

 * * *
「トイレ掃除をしていると急に息が苦しくなり、失神したんです。新型コロナワクチンを打った3日後のことでした。

 怖くなって、県の新型コロナワクチン専門相談センターに電話しました。そうしたら薬剤師さんが出て、『もともとあった病気のせいではないか。ワクチンではない』と断言されてしまって……。その後、市の相談センターにも電話したのですが、そこでも薬剤師さんから『ワクチンが原因なんてあり得ないから』と怒ったように言われました」

 そう話すのは、女性セブン2022年1月20日発売号の特集「コロナより恐ろしいワクチン後遺症」でも紹介した、中国地方在住の女性Fさん(40代)だ。

 昨年8月下旬に1回目のワクチンを接種したFさんは、翌日から腕が上がらないほどの痛み、息切れ、激しいめまいに襲われた。次の日、トイレで失神して以降、体調が悪化し、いまも倦怠感や胸痛、頭にモヤがかかったような感覚が継続する「ブレインフォグ(脳の霧)」に悩まされ続けている。

 甲状腺の持病があるものの、それまでは普通に生活ができ、派遣の仕事にも通っていた。症状の原因は、ワクチン以外に思い当たらないとFさんは言う。しかし、相談センターだけでなく、受診した病院でも、ことごとく否定された。

「めまいが強かったので耳鼻科に行ったのですが、検査しても異常なし。医師からは『ワクチンが怖いという思い込みからではないか』と言われました。

 持病を診てもらっている主治医も、ふだんは患者思いの温厚な先生なのですが、私が『ワクチンのせいでは』と何度か口にしているうちに相手にされなくなりました。その先生は私の接種前の問診も担当されたから、いま思えば、接種にかかわった自分が責められているように誤解したのかもしれません」(Fさん)

海外から自分で薬を購入した

 医療者の心ない対応に苦しむのはFさんだけではない。接種後、長期間にわたって体調不良が続く「ワクチン後遺症」に悩まされながらも、その症状とワクチンとの関連を医師に頭から否定されてしまい、充分な医療的サポートを受けられない人が多いのだ。関西地方に住む女性Ⅰさん(30代)も、その1人だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村容疑者のSNSにはさmざまな写真が公開されている
「死者のことを真摯に思って反省しているとはいいがたい」田村瑠奈被告の父に“猶予つき判決”も、札幌地裁は証拠隠滅の可能性を指摘【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(左・Xより)
〈オレも愛里なしじゃ生きていけない〉高田馬場刺殺事件・人気ライバー“最上あい”さん(22)と高野健一容疑者の“親密LINE”《裁判資料にあったスクリーンショット》
NEWSポストセブン
体調不良を理由に休養することになったダウンタウンの浜田雅功
《働きづめだった浜田雅功》限界だと見かねた周囲からの“強制”で休養決断か「松本人志が活動再開したときに、フル回転で働きたいからこそ」いましかないタイミング
女性セブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(左・Xより)
《生々しい裁判記録》「3万円返済後に連絡が取れなくなった」女性ライバー“最上あい”さん(22)と高野健一容疑者の出会いから金銭トラブルまでの全真相【高田馬場刺殺事件】
NEWSポストセブン
亀井京子アナが福祉業界にチャレンジ
亀井京子アナが語った「社会福祉業界への新たなチャレンジ」子育てに区切りで気づいた“自分の原点”、過去には「テレ東再就職プラン」も
NEWSポストセブン
渡米した小室圭氏(右)と眞子さん(写真/共同通信社)
「さすがにゆったりすぎる…」眞子さんが小室圭さんとの買い物で着ていたロングコートは5万6000円の北欧の高級ブランド「通販で間違えて買った」可能性
NEWSポストセブン
2023年12月に亡くなった八代亜紀さん
《没後1年のトラブル勃発》八代亜紀さん、“私的写真”が許可なく流出する危機 追悼CDの特典として頒布予告、手がけるレコード会社を直撃
女性セブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(左・知人提供)
「顔中血まみれ、白目で、あまりに酷くて…」女性ライバー“最上あい”さん(22)の“事件動画”の目撃証言と“金銭トラブル”の判決記録【東京・高田馬場で刺殺事件】
NEWSポストセブン
おもてなし計画を立てる大谷翔平(写真/アフロ)
【メジャー開幕戦】大谷翔平、日本凱旋でチームメートをおもてなし計画 選手の家族も参加する“チームディナー”に懇意にしているシェフを招へいか、おすすめスポットのアドバイスも
女性セブン
今も多くの人々の心に刻まれているテレサ・テンさん
【没後30年・秘話発掘】「永遠の憧れ」テレサ・テンさん 小林幸子、片岡鶴太郎らが語った「彼女だけの歌声」「今も歌い継がれる理由」
週刊ポスト
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(右・知人提供)
《女性ライバー“最上あい”刺殺》「200万円を超える額を貸している」「消費者金融から借金した」高野健一容疑者(42)が供述する被害者・佐藤愛里さん(22)との“金銭トラブル”
NEWSポストセブン
49歳で出産した女優・小松みゆき
49歳で出産した女優・小松みゆき 娘が、母の若い時の写真集を見たいと言い出したら…?「いいよ、と見せます」
NEWSポストセブン