稲垣吾郎といえば、今さら言うまでもなく、もう30年以上、アイドルから国民的スターとして活躍し続ける存在。平成生まれの記者(32才男)が物心ついたときには、すでにそのポジションだった。
さまざまなメディアで当然のように見かけているから、何だかよく知っているような気になっていたが、もちろん(一般の同世代の多くの男性と同じように)コンサートや舞台に実際に足を運ぶことはなかった。
それが今回、たまたま機会があり、公演中の稲垣吾郎主演、ミュージカル・コメディ『恋のすべて』を観劇することになった。
正直、劇場へ向かうまでは少し腰が重かった。きっと観客は大多数が女性ファンで、1人で来てる30代の男なんてほぼいないだろうし、そういった場での“お作法”もわからない。アウェー感満載で浮きまくりじゃないか、と。
確かに、会場へ続く人の波はほぼ女性。しかも40代以上が中心。それでも、奥さんや彼女に連れられてきたという感じの男性や、単身で来ているけっこう若い20代とおぼしき男性も見かける。
そんな少数派の男性も肩身が狭そうな様子はなく、むしろなんだかワクワクと楽しそうなので、ちょっと安心。女性達はもう、これから出会える吾郎ワールドへの期待でいっぱい。場違いな男がいる、なんて気にする人は誰ひとりいないから、自意識過剰になったり“お作法”はどうだとかコソコソすることもないんだ、と。席につく時には、ヘンな緊張もほぐれ居心地のわるさもなかった。
そして、公演が始まって、主演の稲垣が登場すると・・・・・・。まず心の中で叫んだのは、「わぁ、見てきたとおりの“吾郎ちゃん”だ!」