側溝などに水で流すと下水管の中でコンクリート状に固まって詰まらせる可能性が高い点には注意したい。地球学者で京都大学名誉教授・特任教授の鎌田浩毅さんはこう話す。
「火山灰をすくう作業中や、外出時にはマスクにゴーグル、帽子、レインコート、手袋、タオルなどで灰を吸い込まないようガードすることが大切。帰宅したら玄関先でしっかり払ってから入室する必要があります」
火山灰は水を含めば重くなって始末に悪く、環境や健康に害を及ぼす厄介者だ。武蔵野学院大学特任教授で火山学者の島村英紀さんがアドバイスする。
「ぜんそくなど呼吸器疾患がある人はわずか1mm以下の降灰量を吸い込むだけで症状が悪化するといわれています。
コロナ対策のマスクより防塵マスクが有効。また、コンタクトレンズと眼球の間に入り込むと角膜を傷つけるのでメガネを用意した方がいいでしょう」
マンションの場合、エントランスで体についた火山灰は落とせるが、ベランダの灰を階下に落とすのはNGだ。
「一戸建てならビニールハウスの材料で軒先に風防室のようなブースを作るのも一案。とにかく部屋に灰を入れないことが大事なので、サッシや吸気口は養生テープで目張りして、さらに濡れタオルを当てておくと、微細な灰の侵入が防げます」(国崎さん)
火山灰に負けない対策や準備を、いますぐ始めた方がよさそうだ。
取材・文/北武司
※女性セブン2022年3月3日号