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臨死状態を経験した医師「『6~7年後までこのことを語るな』と釘刺された」

臨死状態とはどんなものか(イメージ)

臨死状態とはどんなものか(イメージ)

 古来より世界中で語られてきた臨死体験。最も有名な“三途の川”のほか、「お花畑を散歩して……」「死んだ人が手招きして……」と、その報告内容には色々なパターンがある。そして、医師の立場で臨死体験をした人もいる。西本クリニック院長の西本真司医師は、1992年に潰瘍性大腸炎を発症して入院。激しい腹痛や下痢が続き、血便が出るなどして1か月で体重が23kg減少した。西本医師が臨死状態を経験したのは、その入院中のことだった。

「朝方に眠れなくてウトウトしている時に体が浮いている感じがして、ふと見下ろすとベッドに寝ている自分が見えました。それまで腹痛でしんどかった体も楽になり、意外と冷静に『これが幽体離脱か』と思いました。浮き上がった自分は温かいものに包まれているような感じで、病院の天井や壁を通り抜けることができた。

 自宅のマンションの様子をボーッと見ていると、卵型の大きな光の塊がヴォンヴォンと音を立てながら現われて、そこに近づくと体がさらに楽になった。その光の塊の中に入ったらさぞ気持ちいいだろうなと思っていたら、知らない人の声でメッセージが聞こえたんです」(西本医師)

 そのメッセージは「潰瘍性大腸炎は必ず乗り越えられる」「将来は人の心や魂を見つめるホリスティック医療(身体と精神を同時にケアする医療)が必要とされる」「6~7年後まで臨死体験を語ってはいけない」というものだった。

「それらを聞き終えてからお尻が冷たく感じて、お尻に手を向けた瞬間にベッドに戻りました。改めてお尻を確認すると、点滴のコネクターが外れていて、血液が大量に逆流して危険な状態だった」(同前)

 生還した西本医師は、3つのメッセージを胸にホリスティック医療を追求し、今も多くの患者を助けている。これまで見てきたような臨死状態は、医学的な見地からは「脳の働きによるもの」との説が有力だったと西本医師は語る。

「死に臨んで生命がギリギリの状態になると、苦しさを和らげるために鎮痛作用と快感作用のある脳内物質エンドルフィンが分泌され、充足感や多幸感が得られるとの説があります。また、出血多量などで血中酸素が低下すると、低酸素になった脳の働きによって幻覚などの臨死状態が生じるとの説もあります」(同前)

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