昨年9月に『女性セブン』が報じた巨額投資トラブルが、新たな局面をむかえている。返済は滞り、痺れを切らした“出資者”が投資グループを相手に訴えを起こした。裁判で明かされた新事実。『女性セブン』の直撃に当事者らが口にした言い分とは──。
「あの“投資トラブル”が法廷に持ち込まれました。相手が争う姿勢を見せているので、長期化するかもしれませんが、われわれ“被害者”にとっては見逃せない動き、前進と言っていいでしょう。この3月に次の裁判が開かれます。その進捗を固唾を呑んで見守っているところです」
広島県在住のある高齢女性は、『女性セブン』記者にこうまくし立てた。“投資トラブル”とは、昨年9月、『女性セブン』が『綾瀬はるか 投資トラブル1億円の逆鱗』と報じたものだ。
広島県を舞台に、3人組の投資グループが税理士A氏を主な仲介役とし、地元の資産家から多額の“投資資金”を集めたが、その返金をめぐってトラブルになっているというもの。“被害額”は10億円を超えるという声も聞こえている。
A氏や投資グループの説明によれば、これは「金銭消費貸借契約」という貸付で、借りたお金を元手に優秀な投資グループが運用をする。まずは貸付金の元本を毎月3%ずつ返済し、完済後は毎月3%ほどの利息を払うという。メガバンクの定期預金の金利が年0.002%のいま、年利36%とは夢のような高金利商品。その上、貸付なので元本割れのリスクがないという触れ込みで、多くの高齢者が老後資金をつぎ込んだ。
その1人が、綾瀬はるか(36才)の母親だった。綾瀬の個人事務所の代表を務める母親は、「娘の将来のため」という思いで1億円近い会社の資金をA氏を通じて持ち出した。それが2020年の春頃だった。
綾瀬の母親たちには華やかな世界も用意された。毎月1回、広島市内の高級レストランでの食事会が待っていたのだ。
「『セレブ会』などと呼ばれる会合で、ドレスアップした出資者が高級レストランのテーブルを囲み、投資グループから運用状況を聞き、返金を受けるときもありました。ただ、参加者同士は連絡先を交換してはいけないような雰囲気があったり、主催者が急に『私たちはファミリーです』と言い出すなど、うさん臭さはありました」(セレブ会の参加者)
あまりに現実離れした高金利商品のリスクは、すぐに顕在化した。昨年5月頃、返金が滞り始めたのだ。綾瀬の母親をはじめ、複数の被害者が全額返金を求めたが、対応が進まず、トラブルに発展。状況を知った綾瀬は「無知な高齢者を狙った卑劣な行為」だと激怒したという。
『女性セブン』が報じた翌月の昨年10月「不当利得返還請求事件」として、3人の投資グループを訴えたのは広島市内に住む主婦だった。仮に山本さんとしておこう。彼女もA氏を仲介役として、父親から母親が相続した遺産など計8000万円もの大金を2020年8月に貸し付けていた。